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2016年12月28日

知ってると知らないじゃ違う 有料フォントの名前の構成

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文章の表現に欠かせないフォント。
特に印刷やWebなどの制作に関わる現場では
バリエーションや異体字の種類などの理由で
メーカーからフォントを購入しているところがほとんどです。
購入したフォントの名前を見てみると

「ヒラギノ明朝Pro」
「ヒラギノ明朝Std」
「リュウミンPro5」
「リュウミンPro6」
「FOT-ニューロダンPro」
「FOT-ニューロダンProN」

といったように同じような名前が並んでいますが
違いが分からずなんとなく使っていないでしょうか?

このフォントの違いを知らずなんとなく使っていると
場合によっては大きな間違いを生むことも・・・

この微妙な違い、知っているだけで文章の制作時に
どのフォントが適しているのか考えやすくなります。

フォント名の構成

フォント名のほとんどは主に4つのパーツで構成されています。
上の例に挙げた「FOT-ニューロダンProN」を
例えで見てみましょう。
4つのパーツに分けるとこうなります。
【FOT】→メーカ名
【ニューロダン】→書体名
【Pro】→文字セット①(Adobe-Japan)
【N】→文字セット②(JIS)

こうしてみてみるとちょっと複雑に思えるかもしれませんが
意味を知ると簡単に理解できます。
それでは各パーツの説明をしていきましょう。

メーカー名

フォントの多くは頭にメーカー名を入れてあるものが多く、
先に例を挙げた【FOT】はフォントを制作販売している
会社のひとつ「フォントワークス」の省略名が
入れられています。

このように会社名の省略を入れたもの以外にも
【I-OTFイワタ新ゴシックPro】のような会社の頭文字と
フォントフォーマット「OpenTypeFont」を
組み合わせたものなどもあり、
フォントメーカによって違いが多く、
メーカー名を入れていないものもあります。
中には頭に文字セットや規格をいれているものもあります。

書体名

このパーツは名前の通り書体名が入り、
そのフォントの特徴が名前で表されています。
「ヒラギノ明朝」というような角ゴシック・丸ゴシック・
明朝・楷書といった一般的な書体を表す言葉に
各メーカーがつけた名前を合わせたものや
一風変わった面白い名前なども、
名前が多すぎで覚えるのが大変ですが、
覚えてしまうとフォント選びがスピーディーになります。

文字セット①(Adobe-Japan)

この文字セットとはアドビシステムズ社が
日本語フォント製品用に決めた規格
「Adobe Japan Character Collection for CID-keyed Fonts」
(※以下Adobe-Japan)のことです。
Adobe-Japanは現在、文字や記号のコードを7つの集合に
区分しています。

Adobe-Japan 1-0(0~8283)
Adobe-Japan 1-1(8284~8358)
Adobe-Japan 1-2(8359~8719)
Adobe-Japan 1-3(8720~9353)
Adobe-Japan 1-4(9354~15443)
Adobe-Japan 1-5(15444~20316)
Adobe-Japan 1-6(20317~23057)

現在広く使われているフォントフォーマット
OpenTypeFont(※以下OTF)が出始めた頃と
Adobe-Japan1-3ができた時期が近いため、
OTFののほとんどはAdobe-Japan1-0~Adobe-Japan1-3までに
含まれる文字が使用できます。
そのためAdobe-Japan1-0~Adobe-Japan1-3(総9353字)
までの文字コードが入っているものを【Std】と
表記されます。

それから文字コードが増えていくことに
Adobe-Japan1-4(総15443字)までを【Pro】
Adobe-Japan1-5(総20316字)までを【Pro5】
Adobe-Japan1-6(総23057字)までを【Pro6】
と表記するようになりました。

つまりは表現できる文字コードの種類が
【Std】が一番少なく【Pro6】が一番多いということです。
それならば文字が増えてもすべてまとめた方が
効率がいいと思われる人も多いと思いますが、
過去のデータを編集する際、フォントのデータが更新、
もしくは変更されてしまうとエラーが出る可能性があるため、
Std・Pro・Pro5・Pro6といったように
すべてのフォントデータを残しています。

文字セット②(JIS)

上記で説明した文字セットの後に
【StdN】や【ProN】といったような
最後に【N】がついているフォント名があります。
この【N】は文字セットの公的規格のJIS(日本工業規格)が
2004年に「JIS X 0213:2004」(※以下JIS2004)という
新たな規格に変わる際、それまで多く使われていた
「JIS X 0208-1990」(※以下JIS90)から
大きく変更されたため、
JIS2004以降に対応しているフォントに
【N】を付けて区別しています。

JIS2004で以前より変わった点は大きく分けて2つ
・漢字 168字の例示字形(見本)が変更された。
・第三水準漢字に10文字が付け加えられた。

この一つ目が重要な変更で、
とある漢字を入力した際複数ある異形字の中で
表示される字形が以下のように変更されました。

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この変更によって人名・地名などの固有名詞が
大きく影響を受け、変更後はパソコンで表示される文字が
Windows XPとVistaで表示される字形が変わり
様々なトラブルが起こりました。
フォントも同じで人名や地名を多く含む文章を
【Std】の文字セットで制作した後【StdN】の文字セットに
変更すると漢字の字形が変わってしまい
トラブルに発展しやするなるので注意が必要です。
【N】付きのフォントで作られたデータを編集する際は
【N】付きのもので
【N】無しのフォントで作られたデータを編集する際は
【N】無しのもので行うのが鉄則です。

番外編

もちろん上記で説明したフォント名に
当てはまらないものも多々あります。
その中の用語をいくつか紹介していきます。

【UD】→ユニバーサルデザインフォント
出来るだけ多くの人が見やすい・使いやすいように
細かい部分に配慮や工夫がされているフォントに付いています。

【A-OTF】→Adobe-Japan OTF
Adobe-Japan規格のOTFに対応したフォント名に付きます。

【U-OTF】→U-PRESS OTF
U-PRESS(社団法人共同通信社)が新聞社など、
記事を発信する際にまとめた文字セットに
対応しているフォントに付いています。

適したフォントを使うために

・新しい文章を制作するとき
・過去のデータを編集するとき
・人名が多い文章を扱うとき
・みんなが読みやすい文章を作るとき

フォント名の構成を一通り理解した上で、
上記のような条件でフォントを考えてみると
ある程度の目星が付きやすくなったのではないでしょうか?
目星がつくということは
フォント選びの間違いも起こりにくくなり、
トラブルも回避できるようになります。

しかし、フォントは年々変化していきます。
JIS規格がまた大きく変わるかもしれません。
もしかしたら新しい文字コードが
沢山追加されるかもしれません。
昔の言葉が使われなくなるように、
文字も消えたり、増えたりします。
こういった変化にすぐに対応できるよう
常に新しい情報に目を向けていくのも
沢山のフォントを使っていく上で大切なことです。

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