
Googleのサーチコンソールに、「速度(試験運用版)」という新しい機能が、2019年11月に追加されました。これまで一部のユーザーへ試験的に公開されていた機能ですが、全てのユーザーへ公開され使用できるようになりました。今回は、この速度レポートについてご紹介します。
目次
速度レポートとは
Google Search Consoleを開くとサイドメニューに「速度(試験運用版)」という項目が追加されています。この機能は、Chrome User Experience Report(CrUX)= 使用統計レポートという、ユーザーが実際にページへアクセスした際の匿名化されて収集された情報に基づいており、表示されている速度レポートは、使用統計レポートの収集機能を有効にしているユーザーが実際に訪れた時のデータになっています。
PageSpeed Insightsとは
https://developers.google.com/speed/pagespeed/insights/?hl=JA
ページの速度を評価するものとして有名なものに、「PageSpeed Insights(ページスピードインサイト)」があります。PageSpeed InsightsでもChrome User Experience Reportを使用していますが、加えて元々GoogleがChormeの拡張機能として提供していたサイトパフォーマンス測定ツール「Lighthouse」を使用しています。
このPageSpeed Insightsでは、URLを入力して分析するとページの評価がFirst Contentful Paint(FCP)と DOMContentLoaded(DCL)の2つの指標で表示されます。
First Contentful Paint(FCP)とは、ブラウザにテキストや画像といった何らかの表示要素が最初に表示されるまでの時間です。ユーザーがページのコンテンツを最初に使うことができるようになるまでの時間とされています。
DOMContentLoaded(DCL)とは、ブラウザがHTMLを読み込んで、imgのような画像やスタイルシートはまだ読み込んでいないが、文章構造の構築は完了した時間です。
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速度レポートの指標
Google Search Consoleの速度レポートの指標はFirst Input Delay(FID)とFirst Contentful Paint(FCP)の2つがあります。
First Input Delay(FID)とは、ユーザーがリンクをクリックといった操作を行なった時に、ページが反応するまでの時間です。First Contentful Paint(FCP)は、PageSpeed Insightsでの指標と同じものです。
速度レポートの確認方法
Google Search Consoleへログインし、プロパティを選択すると左メニューに「速度(試験運用版)」の項目があります。
「速度(試験運用版)」を選択すると低速・中速・高速に分類されたURL数がグラフで表示されます。画像ではPCとなっていますが、データが十分ある場合は、「PC」「モバイル」と2種類表示されます。
右上の「レポートを開く」を選択すると棒グラフで低速(赤)・中速(黄色)・高速(緑)と色分けされたグラフを見ることが出来ます。左上の「低速・中・高速」ラベルの部分をクリックすることで表示するグラフを切り替えることができ、表示中のものは背景が各色に切り替わります。画像の場合は低速と高速が表示されています。ラベルの下にはURL数が表示されます。
グラフの下には各速度ごとの詳細があります。
画像は高速URLの詳細です。高速URLのみ表示されたグラフがあり、その下には対象のURLと類似するURL数が表示されます。URLを選択すると右に詳細が表示され、FCPとFIDの値と類似URLが表示されます。
ここで表示される類似URL数は試験運用版では最大20件ですが、今後増えていくのかは不明です。個別に速度を確認する場合には、やはりPageSpeed Insightsを併用する必要があります。
速度レポートが表示されない場合
速度レポートは、実際にサイトを訪れたユーザーのデータを参照しています。その際、指標であるFirst Input Delay(FID)とFirst Contentful Paint(FCP)がどちらもしきい値に達していない場合は、レポートは表示されません。そのため、公開前サイトや公開から間もないブログ記事のように十分なアクセスが無い場合は、Google Search Consoleで速度レポートを確認することはできません。レポートが表示されない場合はPageSpeed Insightsでテストしましょう。
PageSpeed Insightsと合わせて速度改善に取り組みましょう
Google Search Consoleにも、画像のようにページの表示速度は直帰率に影響を及ぼしているという記載があります。また、2018年1月にGoogleはページの表示速度をモバイル検索に置けるランキング要素に使用することを発表しているので、SEOの面でも速度改善は必須になります。
試験運用版ということや、十分なデータがなければレポートが表示されないという点から、全てをこの速度レポートで確認することは出来ません。しかしサイト全体の速度傾向は確認することができます。PageSpeed Insightsとうまく併用して、速度改善に取り組んでいきましょう。
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