
「デザイン」はアートと違い、個人の感性や能力で出来るものでは有りません。ある問題を発見して解決するためのプランを考え実現させることを言います。今回は問題解決を担うデザインに必要だと考える5つの能力(スキル)について話します。
ソフト技術を身につける能力
DTPデザイナーやWebデザイナー、グラフィックデザイナーにプロダクトデザイナー、様々なデザイナーがいますが、近年はパソコンでのソフトを使ってデザインを制作するのが主流になっています。
まず必要となるのはデザイン系のソフトで、Adobe社からでている、PhotoshopやIllustratorなどの基本ソフトが使える事はデザイナーとしてスタートアップするのに当たり前とされています。ソフトを使う技術には効率化や表現技法など、求められるスキルはいくつかありますがデザイン力においては「表現技法」が必要と考えます。
デザイン系のソフトには様々な機能が付いており、Photoshopであればフィルターといった特殊効果、イラストレーターなら「スタイライズ」といった効果などがあります。手軽に複雑な表現が可能で便利な反面、使いこなせないと表現したいものをうまく表現できなかったりします。また、機能を知らないことで表現を諦める場合もあります。
上記のようにソフト技術力が未熟だと、自分のデザインにおける表現や思考を狭めてしまいますので、自分の使用するソフトはよく理解を深めながら使用しましょう。
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疑問と好奇心を持つ能力
デザインは物事の疑問や課題、不便さなどに対して「答え」を提示するもので、問題を創造的に解決するための思考と発想が必要です。物事に疑問をもって、問題を発見するためには、多くの知識や経験などが必要です。また、解決するためにも知識や経験は必要不可欠です。知識といっても単に専門的な本を読んで知識を身につけろというわけではありません。
サイト制作に関わるWEBデザイナーなら実際に自分でサイトを見て回ったり、商品の広告作成なら実際に商品を使ってみる、紹介するサービスを体験する、などといった経験でも十分な知識です。
問題なのは、疑問を持っても調べなかったり、体験できる環境でありながら体験を行わないといった選択肢を選んで制作に手をつけてしまうことです。知識自体は問題の答えではありませんが、デザインを組み立てていくための素材であり、素材は多ければ多いほどデザイン力の支えになります。仕事や会社の都合上時間や期限は付きもので、調べたり経験したりする時間が取れない場合があるかもしれませんが、できる範囲で積極的に疑問と好奇心を持って過ごしましょう。
情報を取捨選択する能力
デザイナーは根拠を持ってデザイン制作を行います。根拠を考える上で必要なのが情報と知識です。 知識は上記で説明したように、デザインを制作する上での素材です。そして、デザイン制作する上での素材(情報・知識)を選んで構成を行うこともデザイナーに求められる能力です。
広告デザインを例にあげていきましょう。とあるお店がキャンペーンを行うということで以下の情報があった場合、何を一番目立たせて配置するのか考えて見てください。
・女性の来店が多いお店
・4月頭〜5月末までの期間限定
・商品20%〜50%OFF
・先着100名様に商品券プレゼント
・期間中の来店でクーポン券プレゼント
商品20〜50%OFFを一番目立たせるのか、商品券を一番に目立たせるのか、デザインの方向性は女性的にするか中性的にするか…などと色々考えて見ましょう。素材の構成次第でデザインは大きく変わります。
「情報を取捨選択する能力」は、必ずしも問題を解決する答えを求めているのではありません。情報の選択、構成といった思考を怠らず、根拠を持ってデザインを制作に望むことのできる姿勢を言います。
デザインの引き出しを開拓する能力
デザイナーによっては得意な事と不得意なものがあります。誰しも好き嫌いがあるように仕方のないことですが、デザイナーとしては不得意なものを避けるという行為は好ましくありません。デザインというもの、特にグラフィックや広告などは、デザインは出尽くしたとも言われています。新しい発想は何もないところから生まれるのではなく、既存のものを掛け合わせて生まれることがほとんどです。
自分の不得意なものや苦手なものを避けていくことはデザインの幅も狭めてしまいます。苦手な分野、ジャンル、テイストといったもののデザインに関われるチャンスがある時は積極的に自ら参加し、自分の中に新たな引き出しを作りましょう。
他者の考えを理解する能力
今までの4つはデザインの能力として必要と考えるものをあげてきましたが、5つめはデザイナーとして働いていくために必要と考える能力を説明します。デザイナーは上記で説明した知識と経験を生かし、情報の選択を行い、根拠を持ってデザインの制作を行います。
しかし、デザインの「答え」は必ずしも1つではなく、正解もありません。国によって文化が違うように、クライアントによっては知識や情報の考え方が根底から違う人も多くいます。デザイナー自身が自信を持って制作したものでもクライアントから却下になることも少なくないでしょう。
却下された時に、却下の指示を出したクライアントとは合わないと考えるのではなく、自分の考えをどう伝えたら理解してもらえるか考えましょう。そして、相手が全く自分と違う思考をしていた場合は「そういう考え方もあるのか」と受け入れましょう。
ただし、クライアントが納得できないからといってクライアントの言う通りのものを作るのはまたデザイナーとして問題です。仕事でデザインを行う以上クライアントが決定権を持つことがほとんどですが、相手と自分の考えを合わせ、より良いものを目指すことが大切ではないでしょうか。
最後に
デザイナーはジャンルにもよりますが、多くの知識や経験に加え、技術力も求められます。時にはお客様とのコミュニケーションも必要となります。 上記にあげた5つの事を楽しく行えることも長くデザイナーとして働いていく上で必要な能力かもしれません。
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