ライセンスに関してWebデザイナーが知っておくべきこと

ライセンスに関してWebデザイナーが知っておくべきこと

Web制作に携わる上で、使用する画像やイラストはもちろん、プログラムやフリーソフトウェア、システム等にも様々なライセンスがあります。今回はデザイナーとして知っておきたいライセンスについてまとめてみました。

ライセンスとは?

ライセンスとは、利用する者が守らなくてはいけないルールのことです。ルールを守らないと著作権法の下で罰則があるので注意しましょう。ラインセンスは著作権者が製品などの著作物に対して付与できる決まりごとであり、一般的に利用規約というものでも存在しています。

Webの中では実体のない、ソフトウェアやサービス、ツール、メディアなどにライセンスが付与されていますが、利用者の範囲は世界規模になるため、まずはライセンスを付与して著作物を守る必要があります。

ソフトウェアなどでは、不正コピーや不正使用を防止するためにユーザー登録などを行いサーバー側で認証コードによるライセンス認証を行なうことも多くなっています。使用権が定まっており、使用するために契約や購入が必要だったり設定プログラムがしっかりと組み込まれているものはいいですが、Webの世界では他にも無料で配布している素材やソースなども多々存在します。

簡単にインストールできてしまうものもあり、全てが同じようなやり方ではいかないため、しっかりとライセンスを付与して管理する必要があるのです。

コピーライトとコピーレフトの考え方

ライセンスの話をするとまずは出てくるコピーライトとコピーレフト。Webデザイナーであれば一度は聞いたことがあると思います。コピーライトとコピーレフトは似たような言葉ではありますが、意味や考え方は全く正反対です。
まずは、よく目にするコピーライトの方から見ていきましょう。

コピーライトとは?

Webサイトを制作していると、サイトのフッターあたりに決まって©やCopyright 会社名〜の記述がされていると思います。意味を理解せずに使用しているデザイナーの方も多いのではないのでしょうか?

©やCopyrightの記述がいわゆるコピーライトのライセンスであり、コピーライトである成果物に関しては、許可なく複製・改変・再配布・または商用利用をすることは禁止されています。万一行いたい場合は、著作権保持者に対して許可を得なくてはいけません。

コピーライトは付与するものではなく、何か新しいものを生み出した瞬間に適用されるものであり、自分が作ったものは自分が著作権者なのでコピーライトではないライセンスを付与しても問題ありません。つまり、デザイナーはコピーライトではないライセンスを付与する権利もあるということです。

ライセンスの付与というものは絶対しなくてはいけないものではなく、選択しなければ成果物・デザインした制作物などあらゆるモノは基本コピーライトであるということです。

コピーレフトとは?

コピーライトに対し、コピーレフトとは許可なく誰でも利用することが可能なライセンスだが、常にコピーレフトを継承し続ける必要があります。つまり、複製・改変・再配布・または商用利用された二次成果物もコピーレフトを継承するということです。コピーレフトにすることでよりWebデザイナーとしては、自由な制作・開発環境ができあがることが最大のメリットではないでしょうか?

コピーライトでもコピーレフトでもないコピーセンター

コピーライト、コピーレフトについてはある程度理解できたかと思いますが、どちらでもないコピーセンターという考え方も存在します。後ほど紹介するMITライセンスやBSDライセンスが有名です。考え方としてはコピーレフトのように自由に複製・改変・再配布・または商用利用が可能ですが、ライセンスの継承は問わないといったものです。最近ではオープンソース界隈では多く見られるようになり、デザイナーとしても使用することが多いライセンスです。

余談ですが、制限自体が全くないWTFPLライセンスのような考え方も存在しています。

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パブリックドメインとは?

ライセンス周りのお話をする上で、デザイナーとしては知っておきたい言葉、「パブリックドメイン」という言葉を耳にしたことはありますか?著作権の保護が切れてしまった著作物に関しては、基本的には法的な拘束力が消滅します。パブリックドメインとは、拘束力が消滅した、法的に保護されていない・または保護が終わった状態のモノのことを指します。
つまり、自由に誰でも複製・改変・再配布や商用利用ができて、なににも制限を受けない状態のモノです。

パブリックドメインになるためには?

パブリックドメインになるには、著作権保護の消滅・満了(日本の場合は著作権者の死後50年後と定められています)、もしくは著作権者による能動的な放棄の2パターンがあります。映画や写真なども著作権保護期間の満了で誰でも利用が自由になった作品などもあり、ローマの休日が代表例です。

しかしながら、パブリックドメインであっても所有権・人格権などが侵害されるような場合には、法域によっては利用の制限がかかる可能性があります。

ライセンスの種類

様々なライセンスが存在することはご存知だと思いますが、ざっくり数えるだけでも140近くのライセンスの種類が存在しています。Webに適したものは限られていますが、よく目にする、耳にする主要ライセンスをご紹介します。

GPL(GNU General Public License)

現在、おそらく世界でもっとも広く使われているオープンソース・フリーソフトウェア用のライセンスです。
要点としては以下の通りです。

  • 無保証
  • ソースコードの入手方法の提供が可能
  • GPLの元で改変・複製・再配布・商用利用ができる
  • GPLのソフトウェアやプログラムを使用した場合、使用した制作物もGPLで配布しなければならない(ライセンスの継承)

簡単に言い換えると、誰でも(商用も可)自由に複製や編集はできるが、保証はしないし、ソフトウェアやプログラムを配布・販売することは許可されているがGPLライセンスは継承しなければならないといったものです。コピーレフトとしてとても有名なライセンスでもあります。

GPLライセンスが普及されたことで、自分の作ったソフトウェアが勝手に独占的に使用されたり横取りされてしまうことが防げるようになりました。WordPressをはじめ、様々なソースコードなどにも付与されています。

LGPL(GNU Lesser General Public License)

先に紹介したGPLの制約を若干緩めたものがLGPLとなります。GPLとの違いは動的リンクとして使用したときには、使用した部分以外はLGPLを適応させなくても良い。つまり、外部ファイルとしてLGPLのプログラムを使用する場合は使用した部分以外はLGPLにする必要がないということです。

BSD(通称:3条項BSDライセンス)

BSDライセンスはコピーセンターなライセンスであり、GPLに比べると制限が緩くなっています。
要点としては以下の通りです。

  • 無保証
  • 改変・複製・再配布が自由、また無制限な商用利用
  • ライセンスの継承の必要もなく自由

以上を守れば、自由に改変、再配布、独占販売だってOKです。しかし、BSDライセンスには「オリジナルBSDライセンス」と「修正BSDライセンス」の2つがあり、オリジナルの方には謝辞として初期開発者を表示するという条件がついていますので少し注意が必要です。

MIT License(X11 License、X License)

ソースコードに付与されているライセンスの中では、もっとも制限が緩く自由度の高いライセンスの1つです。有名なGitHubに存在するソースの中でも多く利用されているコピーセンターなライセンスではないでしょうか?クレジット及びライセンス条項の表記(ソースに表記などでも可)を行えば制限なしといっても過言ではありません。
要点は以下の通りです。

  • 無保証
  • 改変・複製・再配布が自由、また無制限な商用利用
  • ライセンスの継承の必要もなく自由

見てもわかる通り、「修正BSDライセンス」と同条件のライセンスです。ただ修正BSDライセンスでは書面での許可なく著作権者及び関係する組織の名前の使用は禁止されています。

Creative Commons(通称:CCライセンス)

Webデザイナーはよく注意しておくべきなのが、Creative Commonsという団体が制定しているCCライセンスです。主にメディア系に付与されることが多く、デザイナーやフォトグラファーには関係が強いのではないでしょうか?

CCライセンスは「著作権者のクレジット表記」が絶対条件となっているのでなかなかWEBサイトの受注制作などには使い勝手はよくないかと思います。著作権者のクレジット表記の他に、非営利の場合のみ使用許可・改変の禁止・同一条件の継承義務の3つの使用条件を組み合わせることで著作権者の希望に沿ったライセンスを明示できます。
無料配布されているphotoshopのブラシファイルなどもCCライセンスのものが多いので、使用する際には注意しましょう。

まとめ

モノを作っていく以上、ライセンスや知的財産権など成果物を守るための方法が存在しているので、自分が作り上げたモノを意図しない形で出回らないよう、しっかりと対策していきましょう!また、利用する側としてもしっかり守っていくよう心がけましょう。

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