
世界的にポケモンGOが流行っていますが、皆さんは遊んでいらっしゃるでしょうか?
このポケモンGOのアプリにも「ジオフェンシング」という機能が使われています。さて、この「ジオフェンシング」とはどのようなものなのでしょうか。
ジオフェンシング「Geofencing」とは
ジオフェンシングとは、2004年にミズーリ大学コロンビア校(アメリカ)で開発された技術になります。地図上に仮想的なフェンス(柵)を設置する技術を指し、ユーザーのチェックイン、チェックアウトを判定することが出来ます。
ユーザーがそのフェンス内に入ってくると、あらかじめ設定しておいたメッセージやクーポンなどが送れる技術です。2014年ごろから国内の商用アプリで試験導入がされ、アプリで新しいビジネスの形をこのジオフェンシングAPIは、GPS、Wi-Fi、Beaconなどで取得できる位置情報を利用してつくられました。
ジオフェンシングの利用
スマートフォンを持っているユーザーの現在地にあわせて、あらかじめ指定されたフェンスの中に入った場合、その近くにある店の情報など最適な情報を配信できます。そのため、O2O(Online to Offline)と呼ばれる分野で、つまり、ネット上でのオンライン(Online)の情報接触からオフライン(Ofline)の実店舗への行動を促す施策として、商業上の利用が良くされます。
マーケティングとしての活用例
ある店舗に近づくとスマートフォンに割引クーポンが届いたり、あるいは店舗内では売り場ごとにフェンスを張り、オススメ商品の情報を表示したり、というような使い方ができます。ジオフェンシングを使ったスマートフォンへの情報配信の実例としては、2012~2013年にかけてビックカメラが行っていた「ビック・スマートクーポン」の試験配信があります。
ポイントカードを持っているユーザーが、専用スマホアプリを使うと、入店時にクーポンが配信されるというもので、ユーザーのポイント履歴から、おすすめ商品に対応したクーポンや翌日の天気に合わせて雨の日限定のクーポンも配信されました。
ジオフェンシングの普及の背景
スマートフォンの普及にあわせて、企業が位置情報のマーケティング活用がすすみました。それまで、GPSなどのモバイル位置測定機能を活用した「位置情報サービス」は多数存在していましたが、代表的なサービスはFacebookのチェックインです。
これは、ユーザーによる「チェックイン」を通じて、周辺の友人に今自分がいる場所を知らせたり、店舗から割引クーポンを入手する機能を備えています。また、この「位置情報」をゲームにしているいわゆる”位置ゲー”も存在します。
位置情報のチェックインでポイントをためて、オリジナルの街を作れる『MYTOWN』や、『コロプラ』がそれに該当します。冒頭にもふれた、『ポケモンGO』も、このジャンルのゲームです。
まとめ
とても便利なジオフェンシングですが、位置情報はきわめて高度なプライバシー情報なので、取り扱いには最新の注意を払わなくてはいけません。他にも、ジオフェンシングを活用するために常に位置情報をONにしていなくてはいけないので、スマートフォンなどの端末の電池の消耗が激しい。
また、GPS技術の精度がそこまで高くないのでどこまでマーケティングに活用できるのかという心配点もあります。しかしながら、スマートフォンなどの高度な技術をもつモバイル端末を誰もがもつ現在、ジオフェンシングを活用した位置情報のマーケティング活用には大きな可能性があります。
アプリ以外にもドローン対策や自転車の盗難防止など様々なビジネスシーンでジオフェンシングは活用されています。企業にとってもマーケティングを扱う仕事に関わる人にとって、ジオフェンシングは重要なテーマになることでしょう。
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