
スクショが著作権に違反するのではないか?という話題が波紋を広げています。スクショとはスクリーンショットの略で、パソコンやスマホなどの画面を、端末内で撮影し画像にする機能を指します。今回、その機能が新たな著作権法改正案で法に触れる可能性が出ています。この記事ではスクショを取り扱う上での、注意点を記載していきたいと思います。
目次
具体的な著作権法の内容とスクショする上での注意点
早速新しい著作権法改正案の内容について確認してみましょう。今回スクリーンショットが違法ではないかと挙げられたのは、改正案の中に下記の一文があったからです。
「権利者の許可なしに、 インターネット上にあるあらゆるコンテンツを、著作権法違反と知りながらダウンロードすることを全面的に禁止する」
従来の著作権法では、権利者の許可なくインターネットに著作物をアップロードしたりダウンロードするのは規制されていました。しかし今回の法案では、著作権を侵害する可能性の高い行為は全面的に禁止とされるようです。
禁止とされる一例として、著作者の許可なくSNSに載せられたアニメキャラクターや漫画の画像などのダウンロードが挙げられます。ダウンロードとは「著作物を保存する行為」全般のことを指します。スクリーンショットで撮影された画像もこの禁止とされる項目の対象となっています。
著作権を知らない方は、下記の記事でも紹介していますので、ぜひご覧ください。
参考記事:著作権と肖像権に注意!パクリサイトと言われないために
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新たな著作権法改正案で広がる反対意見
今回の著作権法改正案で違法ダウンロードの適用が拡大したことに対し、様々な団体から反対する意見が出ています。なぜなら、もしこの著作権法改正案が可決された場合、違反となる対象の条件が難解で分かりづらい点です。
今や老若男女問わずインターネットを活用している時代です。果たして今回の改正案の内容を、全ての人が理解することが出来るのでしょうか?そもそも、一体どうやって違法であると判断することが出来るのでしょうか?昨今では画像はアプリなどで簡単に加工・編集することができ、SNSでも投稿時に簡単に編集することが出来ます。著作者侵害にあたる著作物でも、ほんの少し編集されていれば正規コンテンツのものと見分けることが出来なくなります。
法律が施行されたとしても、どれほどの実効性があるのでしょうか?
スクショの範囲とは?どこまでの範囲?
ネット上で大きな話題となっている「スクリーンショット」ですが、この記事を読んでいる方の中には、もしかしたらスクリーンショットという言葉を初めて聞く方がいるかもしれません。
また画面をそのまま画像にして保存するスクリーンショット以外にも、文章をコピーしてメモ帳やテキストなどに貼り付けるコピー&ペーストも禁止されます。分かりやすい事例としては下記になります。
・雑誌や書籍など著作物が掲載された個人ブログ画面のスクリーンショット
・アニメや漫画のキャラクターをアイコンに使ったSNS画面のスクリーンショット
・個人ブログに掲載された音楽の歌詞の引用やコピー&ペーストなど
インターネットを日常的に利用している方なら、これらのことを日頃から何気なく行っていた方も多数いたと思います。全面的に禁止となると、今後多くの方が私生活で制限されることになるのではないでしょうか?
現時点でのスクショの違法対象は海賊版サイトだけ?
もし、今回の著作権法改正案が施行されるとなると、今後インターネットを利用していく上で、様々な制限が設けられることになるでしょう。しかし、現時点ではWebサイトからのダウンロードが全て禁止となるのかというと、質問に対する回答はいいえです。現時点ではあくまでも海賊版サイトが対象となっているようです。
海賊版サイトとは、昨今の有名所では漫画村を代表に、漫画や音楽、映像はもちろん、権利者に許可なくイラスト・写真・文章(歌詞含む)・コンピュータープログラムなどの著作物を載せた違法なサービスサイト全般のことを指します。ここで気を付けて頂きたいのが、個人ブログやSNSでも、イラストや漫画などを許可なくアップロードしていれば海賊版サイトになってしまうということです。
今後の影響と私たちが気をつけるべきこと
不用意にスクリーンショットしない!何といってもこれにつきます。今まで何気なく行っていたスクショですが、もしかしたらそのスクショしようとしているものが、違法にアップロードされているかもしれません。
今後気に入った内容があったとしても、「これは著作権に違法しているサイトではないのか?」「他人の作成した著作物ではないか?」を都度確認し、自分が行うスクショが違法に当たらないかどうか見極めることが必要です。
スクショする際他にも気を付けたいPOINT
今回の法改正で海賊版サイトのダウンロードが禁止されることになると、今後違法アップロードも減っていくことでしょう。
一つ気を付けたいのが、公式サイトからのスクショは違法ではないということです。ですが、そのスクショで撮影した画像を個人ブログに掲載したり、SNSに投稿するなどの行為を行うと、違法アップロードとみなされ規約に引っかかる可能性もあるので注意することが必要です。すでに無断で掲載している場合はすぐに削除しておきましょう。
しかし、これらの行為は、個人利用の範囲において問題はありません。ただし、相手が時間や手間をかけて撮影した写真を無断で保存したり、自分のものにするなどの行為は決して気分の良いものではありません。写真を使用したい場合は必ず本人へ許可を取りましょう。許可なく無断で掲載・撮影した画像は著作物や肖像権を侵害してしまい、10万円~20万円の損害賠償となる可能性もあります。もし裁判になると損害賠償だけではなく、弁護士費用など多大な金額がかかってしまうことにもなりかねません。
今後のインターネットとの関わり方
今回の改正案に関しては、ネットでは様々な議論がされていますが、今後施行された場合はしっかりと法律を守る必要があります。今後ネットを使用する際は、今までと違って様々な制約もでてくると思いますので、これまで以上に注意していきましょう。マナーを守って気持ちよく、インターネットを活用していきましょう。
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