リスティング広告の「自動化」 運用担当者はどう向き合うべき?

リスティング広告の「自動化」 運用担当者はどう向き合うべき?

Web広告においてもAIや人口知能を活用した広告運用が、注目を集めています。Google広告をはじめ、多くの広告媒体で「自動化」と呼ばれる機能が実装されています。今回の記事ではリスティングにおける自動化の概要と、運用担当者としてどう向き合っていくべきかについてまとめました。

リスティング広告の「自動化」とは何を指す?

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Google広告やYahoo!広告などのリスティング広告は、運用担当者が配信成果を分析したあと、手動で入札単価やクリエイティブの設定を行ってきました。しかし、近年では広告媒体が機械学習を活用した自動化の運用機能や、サードパーティにより自動化用ツールを展開も増え、機械に任せた自動化運用・管理が広まってきています。

例えば、入札する検索キーワードの選別や入札単価の調整、入札戦略の選択やコンバージョン単価の最適化など、自動化の設定が可能な項目が次々に登場しています。最近では広告運用初心者でも質の高い運用が可能になり、リスティング広告の運用はさらに浸透していくと思われます。

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自動化ツールはどれほど浸透しているの?

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リスティング広告媒体が提供する自動化メニューだけでなく、サードパーティーが提供する自動化ツールも、利用数が年々増加しています。株式会社デジタルインファクトの調べによると、2010年代前半から大手広告会社から自動化ツールの導入が進み、2020年には11,000件近くの導入件数になると予想しています。毎年120%近くの増加率を保っており、今後も自動化ツールの導入が進むと予想できます。

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SHIROFUNE/デジタルインファクト調べ

最も身近な自動化?キャンペーンの自動入札

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自動化といっても難しいものではありません。Google広告を例にすると最も身近な例と言えるのが、「入札戦略の自動化」です。2020年3月現在、Google広告ではキャンペーン単位で設定できる自動入札機能が6種類用意されています。コンバージョンを重視するのか、認知を重視したいのかなど、配信の目的に沿って選択するだけなので、簡単に設定できることも魅力の一つです。6つの自動入札戦略をまとめました。

  • クリック数の最大化:予算内で広告のクリック数が最も増えるように配信
  • 目標インプレッションシェア:検索結果ページの最上部など、見える場所の表示を優先
  • 目標コンバージョン単価:指定したCPAでコンバージョンが獲得できるよう最適化
  • 目標広告費用対効果:費用対効果であるROASを最大化することを優先
  • コンバージョン数の最大化:予算全体を使用しながらCV数が最も増えるように最適化
  • コンバージョン値の最大化:予算全体を使用しながら1CVあたりの利益最大化を優先

広告の目的がどの入札戦略に合っているかを検討したうえで、適切な自動入札戦略を選びましょう。

自動化と手動での運用、どちらがいいの?

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では、リスティング広告の運用は機械による自動化と、広告運用者による手動運用と、どちらが良いのでしょうか。tree編集部が考える答えとしては「機械が得意な部分は自動化。人が得意な部分は手動で。割り切って運用するのが最適」です。

自動化の設定と運用担当者による手動運用では、それぞれに向き・不向きがある領域が存在します。完全に業務を自動化すれば良いというわけでもありませんし、すべての業務を人の手で行うこともコストになってしまいます。向き不向きを見極めるために、注目すべき観点を知っておきましょう。

自動化を検討するうえで、注意すべき観点

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自動化すべきかどうかを見極めるため、注目すべき観点をピックアップしました。

1.ルーティン化されていたり、ルールが決まっていたりするか

広告運用において「クリック単価が〇〇円以上になったら〇〇をする」など、実施する中でのルールが決まっている場合は、自動化することをおすすめします。自動化は過去のデータに基づいて判断するため、自動化することで工数の削減と、効率化が出来る可能性が高いです。反対に人間の思考をもって判断する必要がある調整・設定は、手動で実施した方が期待する成果に近いと考えられます。また、定期的なレポート出力などのルーティン業務は自動化すべきですね。

 

2.データをもとにした「最適解」があるか

自動化はあくまでも、広告媒体が機械学習することを前提とした機能です。それまでの配信およびユーザーの反応から得たデータをもとに、最適な設定を導き出すのが通常のセオリーです。なのでキーワードや入札単価といった「この値が最適だろう」とデータをもとにした最適解が出せるものは自動化に向いています。

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一方でディスプレイ広告の画像アイデアや、リンク先サイトの表示改善については自動で機械的に判断することは現状では難しいと言えます。「そもそも最適化ができる箇所なのか」という観点は忘れずに持っていましょう。

 

3.継続して活用ができるか(費用)

意外な落とし穴なのが「継続可能性」です。広告媒体の自動化機能や自動化ツールを実装したはいいものの、運用者が「良い/悪い」を判断できずに終わる場合もあります。「この指標を良い/悪いの判断基準とする」と、特定の指標を作成しておくのが良いでしょう。

また、有料ツールを検討している場合は、毎月のランニングコストと広告案件での利益が見合うかも確認しておく必要があります。

 

4.機械学習が適用されるのか(クリスマスを機械が知っているのか)

現在の機械学習が絶対に人に勝てない場合もあります。例えば雑貨屋さんのECサイトで9月から広告運用をスタートしデータを貯めた場合、12月から機械学習を基にしたキーワード選定で、最大の成果が出せるでしょうか?

おそらくクリスマス需要に対応できないと考えられます。機械からすると「クリスマスにはプレゼント需要が増える」という過去のデータが無いため、機会損失や予算の調整が上手くいかず、集客や販売促進が上手くいかない可能性が高いです。慣習や文化的背景は人の手でカバーする必要があります。

「自動化」と運用担当者はどう向き合うべき?

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Web広告の運用を行っている人にとっては「自動化は本当に信じられるのか」と半信半疑な方もいらっしゃると思います。広告という性質上、依頼主であるクライアントに対して「Aの理由があるからBの対策を講じる」といった説明も必要なため、自動化に任せにくいという気持ちもありますね。

運用担当者の中ではどうしても「地に足を付けて手動で運用すべきでは?」と日本人らしい感覚がある反面、上司やクライアントに「世の中は自動化の流れなのに、なぜ導入していないの?」と説明を求められた運用者もいらっしゃるでしょう。

広告運用者としては「自動化はあくまでもツールのひとつであり、自動化自体が目的ではない」と認識しておくことが大切です。「自動化が良いのか悪いのか」といった論点ではなく、「リスティング広告で成果を出すために、どんな手法が最適なのか」の観点を常に忘れないようにしましょう。

先述の向き不向きの領域で挙げたように、適切な設定ができるように、広告アカウントを俯瞰できる能力が求められます。例えばですが、運用初期は人の思考でアカウントの構築やクリエイティブの切り口を設定し、運用開始後にデータが貯まり始めた時点で必要な自動化を適用のがスマートな運用と言えますね。

自動化はゴールではない

リスティング広告運用において、自動化することは目標ではなく、あくまでも手段のひとつ。自動車においても、自動運転が目的ではなく目的地に安全に到着することが目的です。これからのリスティング広告運用者として、自動化と手動の運用の「良いトコ取り」ができる感性を磨き、広告運用の効果を最大化しましょう。

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