
Webマーケティングに関わる方は「直帰率」「離脱率」という言葉ご存じですよね?同じような意味に思われがちで、どう違うのか曖昧な方も多いのではないでしょうか?今回は「直帰率」と「離脱率」の違いと改善方法についてご説明いたします。
目次
「直帰率」とは
直帰率とは「ユーザーがページを訪問し最初の1ページ目だけを見て、サイトから離脱するかブラウザを閉じたセッション割合」のことを指します。セッションとは、サイトに訪問し、サイトから離れるまでの一連のユーザーの行動を表す言葉です。
直帰率には、「そのページが初めてのセッションかどうか」が関わってきます。そのサイト内の違うページからのセッションは直帰率には関係ありません。
分かりやすく例えると、サイトの訪問者100名のうち、「初めの1ページ目だけ見て違うサイトに行ってしまった人」が10名だったとします。その時の直帰率は10%ということになります。基本的には「直帰率はパーセンテージが低ければ低いほど良い」とされています。
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「離脱率」とは
次に、離脱率についてご説明します。離脱率とは「サイトに訪問してきたユーザーが特定のページを見たあと、別のサイトへ移動してしまう割合」のことを言います。
離脱率も分かりやすく説明すると、サイトのAページを訪問した100名のユーザーのうち、90名はAページのあるサイトの別のページに移動、残りの10名は別サイトへ移動したとします。その時のAページの離脱率は10%となります。
「離脱」と定義される行動は次の通りです。
・ブラウザを閉じる
・ブラウザの「戻る」ボタンで前のページや違うサイトに戻る
・サイト内に貼ってある別のサイトのリンクをクリックする(別のページに飛ぶ)
・特定のページで何も行動しないまま30分間経過する
・セッション中に午前0:00になってしまった
などがあげられます。
「特定のページで何も行動しないまま30分間経過する」に関しては、ページを開いてから31分後にまた違うページを訪れた場合は、再度訪れたセッションは新しいセッションと判断されカウントされます。同じサイト内の違うページへの移動、つまりサイトから離れなければ離脱としてカウントされません。
直帰率と同じように、離脱率もページごとに確認する必要があります。離脱率も、パーセンテージが低い方がいいとされますが、離脱率が高くても必ずしも悪いわけではありません。極端な例ですが、問い合わせ完了ページの離脱率は高くなります。
一方でユーザーの行動アクションを促すページ、例えば買い物カゴのようなメールアドレスや名前・住所などを入力するページで離脱率が高い場合は、早急にページを見直す必要があると思います。
直帰率と離脱率の違い
では実際に直帰率と離脱率の違いを見ていきましょう。直帰率は「1つのページしか訪問していないセッションの離脱」の割合であり、離脱率は「全てのセッションでの離脱」が対象となります。
ページA・ページB・ページCで構成されたサイトを例として違いをご説明します。
このサイトの5日間の各ページの直帰率と離脱率を出します。
1日:ページA→ページC→ページB→離脱
2日:ページA→離脱
3日:ページC→離脱
4日:ページC→ページA→ページB→離脱
5日:ページA→ページC→離脱
直帰率
上記の例でいうと、ページAからスタートしたセッション数は3回です。そのうち、ページAだけで離脱してしまったセッション数が1回あります。この場合
1回÷3回×100%=33%となります。
また、ページCからスタートしたセッション数は2回、ページCで離脱しているセッション数は1回なので同じ計算式に当てはめると、
1回÷2回×100%=50%となります。
ちなみに今回の場合、ページBからスタートしたセッションは0回なのでページBの直帰率は0%となります。直帰率は、セッションが始まったページからの離脱率のことを示します。
離脱率
同じ例で離脱率も求めます。
ページAのアクセスは合計4回あるうち、離脱したのは1回です。ほかのアクセスではサイト内の違うページへの移動となっているため、離脱率は1回÷4回×100%=25%となります。
また、ページCへのアクセスも同じく4回でした。そのうち、離脱したのは2回です。そのためページCの離脱率は2回÷4回×100%=50%となります。
そして、今回の場合、ページBへのアクセスしたセッションは2回で、2回とも離脱しているのでページBの離脱率は100%となります。
直帰率が高くなる原因
直帰率が高くなってしまう原因は大きく2つ考えられます
・ページの質が悪い
ユーザーが求める情報がすぐに見つからなかったり、そもそも情報が載っていなかったりする場合、タイトルや広告文に興味を持ち訪問したユーザーはサイト内に滞在せずに離脱します。サイトの質が悪い典型的な例です。
・サイト内導線が整備されていない(わかりにくい)
ページのコンテンツを読み終わったあとの関連記事のリンクがない、などサイト内での導線がなく、サイト自体が使いにくい場合には直帰率が高くなります。
一般的な直帰率の平均値
世間一般のサイトにおける直帰率の平均値がこちら。
・コンテンツ型サイト・・・40~60%
・ブログ・・・70~98%
・ECサイト・・・20~40%
・LP・・・70~90%
滞在時間での判断
直帰率が高いページを考察するうえで「滞在時間」を参考にする場合があります。ユーザーにとってサイトが使いやすいものか、判断するうえで参考になる数値の一つと言えます。Googleアナリティクスにおける滞在時間は、計測したいページとその次に訪問したページの差分で計測されるため、「直帰したユーザーの滞在時間」は計測できないので注意しましょう。
LPの直帰率
LPには必要以上に他ページへのリンクが設置されることがないので、一般的なページよりも直帰率は高くなってしまいます。ですので、LPの良い・悪いの判断は、直帰率では判断できません。直帰率が低くても、LPからのコンバージョンが無ければ良いLPとは言えません。
また、直帰率が高い原因として、流入元となる広告文やバナーなどに問題がある場合もあります。広告のクリエイティブとLPの内容が違いすぎると、ユーザーの直帰率は高くなってしまいます。ページの良し悪しは直帰率だけでは判断できないことも多いので、情報を考慮しながら正しくデータを判断することが大切になります。
直帰率の改善方法
最後に直帰率が高くなる原因を踏まえて直帰率を下げるための対策方法をいくつかまとめます。
・文字を読みやすくする
大きなフォントやサイト自体を見やすい色合いにするなど。
・レイアウトを使いやすくする
検索や、コンテンツへのアクセスが簡単にできる、レスポンシブデザインでどんなブラウザでも対応できるなど。
・サイトを高速化する
サイト自体の動きが重いこともユーザーのストレスにつながり直帰率が高くなる傾向にあります。
・外部リンクは別タブで開くようにする
外部リンクをユーザーが開いても、元のページに戻りやすくする
改善策はまだまだあると思いますが、改善の第一歩として認識しておきましょう。
直帰率と離脱率を正しく理解しよう
ここまで混同しやすい「直帰率」と「離脱率」について説明してきました。どちらもアクセス解析のうえでは重要な役割を持っているので、違いを正しく理解し分析に役立てましょう。
ただ、基本的には必ずしも「直帰率」と「離脱率」が低い方がいいわけではありません。サイトを評価する際にはSEOや解析ツールとともに、総合的なデータをもとに判断しましょう。
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