
近年、動画広告を見る機会も増えているのではないでしょうか。なぜ動画広告が増えているのか、どんな広告効果があるのかについて知っている人は多くありません。今回は動画広告の基礎についてわかりやすく解説します。
動画広告が注目される理由
従来、インターネットを活用した広告はバナー広告が主流でしたが、2013年あたりからバナー広告よりも動画広告が人気になってきています。マーケティングツールとして使われてきたバナー広告と比較して、ユーザーに対する訴求力も高く、幅広い層に広告効果があるからです。
YouTubeをはじめ、TikTok(ティックトック)などの動画提供サービスが普及したり、YouTuberが職業として認知されたり、広告収入で生活ができるようになっていることから今後も動画広告に対する需要は高まってくると考えられます。
年々動画広告市場の規模は大きくなっており、国内動画広告の市場動向調査結果をみても、市場規模は大きく成長しています。
スマートフォン利用拡大
動画市場が急速に成長している背景には、スマートフォン利用者の拡大があります。スマートフォンの利用が多くなったことによって、家にいなくても動画コンテンツを閲覧できる機会が増えました。スマートフォンの利用が多くなったことにより、バナー広告のような従来の広告よりも、柔軟性の高い動画広告が人気です。
動画広告では、広告主が思い描くターゲットに直接動画広告をみてもらうことができ、広告のターゲットを明確にすることができるだけではなく、高いPR効果が高いです。
情報インフラの拡大
5Gなど、通信インフラの整備が進んでいることも背景にあります。5Gとは、次世代の移動通信システムのことです。5Gになると、より大容量で高速の通信が可能となります。従来では不可能であったデータ通信が可能になるので、強いPR効果を持つ動画広告が注目を集めています。
SNSの普及
動画ソーシャルアプリとしてはYouTubeが有名ですが、最近では若年層を中心に人気となっているTikTok(ティックトック)、TwitterなどのSNSでも動画コンテンツが人気を集めています。
SNSの共有機能をユーザーが活用すれば、動画が急速に拡散され、多くのユーザーの目に止まり、同時に広告効果も高まることが期待されます。
動画広告の効果と活用方法
動画広告の最大の効果は、商品やサービスを視覚的にわかりやすく訴求することができることです。商品のイメージや利用シーンなどを動画としてユーザーに提供することができるので、商品やサービスを利用しているイメージがしやすくなります。
簡単に言えば、動画広告は、ユーザーに直感的なイメージをアピールすることができます。
視覚的効果が高い
動画広告では文字化しにくい情報でもユーザーに伝えることができ、購買意欲をかき立てることができます。日本の総務省が管轄している情報通信政策研究所の研究報告によると、10代・20代のインターネット利用項目別平均利用時間をみると、10代・20代の男女とも、動画投稿・共有サービスの閲覧の平均利用時間が最も長く、休日に動画サービスを利用する時間も1時間以上です。
動画広告は、動画サービスだけではなく、Facebook、Twitter、Instagramなど、従来のSNS上でも表示することができるので、SNS利用者にも広告効果があります。
文字が読めないユーザーにも伝わる
動画広告は必ずしも文字情報を提示する必要がないので、文字を読むことができない外国人や小さな子どもにも視覚情報として動画広告を表示することができます。文字よりも動画に親しみを持っている若年層に対する訴求力も高いだけではなく、細かい文字情報が読み取りにくい高齢者などにも広告でアピールすることができます。
幅広い層のユーザーに商品やサービスに関する理解を促進することができるのが、動画広告の最大のメリットです。
ブランドイメージの向上
動画広告は、購入を促進するタイプの動画広告を出すこともできますが、商品や企業のブランドイメージの向上にも繋がります。直接的に商品を紹介しなくても、視覚情報によってユーザーの持つイメージに働きかけることができます。
商品について興味がないユーザーも、自然に動画をみることによって興味を持つようになることがあります。テキスト広告などは、商品やサービスに興味のないユーザーの興味を引くことは難しく広告効果も限定されますが、動画広告は潜在的なユーザーにも働きかけることができ、商品に興味のないユーザーにも動画広告の視聴を促すことができます。
特に、YouTubeなどで自分のお気に入りのチャンネルを登録しているユーザーなどには、同じような興味を持つユーザー同士のつながりがあると考えられるので、広告の効果も非常に高くなることが期待できます。
動画広告の種類
動画広告は大きく分けて3種類あります。
- インストリーム動画広告
- インバナー動画広告
- インリード動画広告
動画広告の種類についてわかりやすくまとめました。
インストリーム動画広告
インストリーム動画広告とは、YouTubeなどの動画サイトにおいて配信される広告す。インストリーム動画広告の特徴は、バナー広告よりも大画面で表示できることです。
音声がデフォルトでオンとなっているため、動画が再生されると同時に音声も流れます。インストリーム動画広告の中でも、動画コンテンツよりも前に再生されるタイプの広告はプリロール(プレロール)動画広告と呼ばれますが、最近では、動画視聴中・視聴後に流れる動画広告も増えてきています。
インストリーム動画広告には、ノンスキッパブル広告とスキッパブル広告があります。
ノンスキッパブル広告
ノンスキッパブル広告は、ユーザーに強制的に広告を視聴させることができる動画広告です。ノンスキッパブル広告は15秒程度であることが多く、様々な動画サイトがノンスキッパブルの動画広告を採用しています。
しかし、動画コンテンツを遮ってしまうことになることから、ユーザーのストレスとなって、企業イメージがダウンしてしまう可能性もあるので注意が必要です。また、ユーザーが動画広告をブロックするアプリなどを導入している場合、動画広告が流れないこともあります。
スキッパブル広告
スキッパブル動画広告はユーザーが広告の途中でスキップができるので、再生開始から数秒で興味を引くことができないと、広告をスキップされてしまい、視聴してもらうことができない可能性があります。スキッパブル動画広告は、不特定多数のユーザーに対して広告を配信して視聴してもらう目的には不向きです。
インバナー動画広告
インバナー動画広告とは、バナー枠で配信されるタイプの動画広告です。インディスプレイ型の動画広告とも呼ばれます。動画広告ではありますが、バナー枠などで広告が流れることが特徴です。
インストリーム動画広告とは異なり、音声はデフォルトでオフとなっています。広告をユーザーがクリックしない限り、音声が流れることはありません。
インバナー広告は、動画サイト以外の広告枠にも、動画広告を配信することができるため、普段動画サイトを閲覧しないユーザーに対しても配信することができます。バナー枠への配信なのでコンテンツの邪魔をせず、ユーザーに対してストレスを与えにくいことも特徴です。
画面に表示されていなくとも、インバナー広告は再生が開始されることから、ユーザーの目に入っていないときに再生されてしまい、ユーザーの目に入るときには動画の再生が終わってしまっていることもあります。結果として、十分な広告効果が得られないこともあります。
インリード動画広告
インリード動画広告とは、ブラウザ上で画面をスクロールして、ビデオエリアが一定以上表示されたときに広告が再生されるものです。動画広告の中で、最も新しいタイプの動画広告です。
インリード動画広告は、企業のブランドを高めるなど、動画広告の中でもPR効果が高いとして、広告代理店やWebサイト制作会社も強く推している動画広告です。ホームページや記事サイトの訪問者がページを閲覧しているうちに、自然にビデオエリアに入り動画広告を配信するので、コンテンツの閲覧を中止させることはありません。サイト閲覧者に与えるストレスが少なく、スムーズに広告に誘導することができます。
コンテンツと関連性の高い動画を挿入しておくことで、ユーザーの興味を引くことができます。ストーリー性のある動画広告をうちやすいことが、他の動画広告にはないメリットです。デメリットは、ビデオエリアに入る前に中断されてしまうことです。
動画広告を配信してみよう
動画広告は近年非常に注目を集めるようになり、市場規模も拡大傾向にある成長市場です。今後も成長が見込まれるため、動画広告に対する需要は大きくなっていくと予想されます。今回紹介した特徴や効果を正しく理解し、動画広告の運用の参考にしてみてください。
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