
「報連相」は社会人として最も身に付けておきたいスキルです。近年のビジネスマナーでは報連相と同様、上司から部下に対する「おひたし」も話題になっています。
今回は、報連相とおひたしのそれぞれの用語の意味や使い方、目的と方法をご紹介します!
目次
報連相(ほうれんそう)とは
「報連相」という言葉はよく耳にしているかと思いますが、今一つそれぞれの用語の意味を知らない人もいることでしょう。
「報連相」とは、会社での部下から上司に対するビジネスマナーのことです。まずは「報連相」の中身である「報告・連絡・相談」のそれぞれについて、わかりやすく説明していきます。
報告
日々自分が担当している業務や、上司から指示された業務に対しての経過や結果を、部下から上司へ知らせることです。また、進捗だけでなく業務中に起こったミスやトラブルについても上司へ知らせましょう。
連絡
会社全体(該当する関係者)や、特定の個人に対して業務や作業上での情報や、決定事項などを知らせることです。
会社内を管理する総務や人事などから、会社全体へのお知らせや該当する社員への通達など、連絡事項はさまざまです。
相談
業務の中で判断に迷ったときや、自分で判断できないとき、自分の考え・意見を聞いてほしいときなどに上司や先輩にアドバイスをもらったり、判断を仰いだりすることです。
報連相の目的と方法
報連相の目的は、上司と部下が情報を共有することで、ビジネスにおいてコミュニケーションの基本となります。
「報告・連絡・相談」はそれぞれ目的があり、重要な役割があります。まずは目的・方法を理解しましょう!
報告の目的と方法
報連相の中でも基本中の基本が「報告」です。まずは報告を徹底するように行動していきましょう。
報告の目的2つを紹介します。
- 指示された業務の経過や結果などを情報共有し、作業に問題やミスがないかを把握し、お互いに同じ認識を持つため。
- 問題やミスを事前に把握することで、今後起こりうる問題を回避するため。
口頭は、急を要する場合、結論から簡潔に報告します。この際に気を付けることは、自分の意見を述べるのではなく、事実のみを述べましょう。
記述は、報告する内容が複雑で資料やグラフを用いた方が効率的な場合の方法です。資料の数値や数量などは正確に記載するようにしましょう。
連絡の目的と方法
連絡の目的は、迅速に情報を共有することです。連絡には情報の正確性・簡潔性が求められ、スムーズに業務を成し遂げることにつながります。
連絡の重要度合いは幅広くあり、特に重要度が高い内容に関しては正確性・簡潔性だけではなく、相手のタイミングも見つつ迅速かつ慎重に行いましょう。
連絡の方法は、対象・内容・緊急度・重要度によって手段が異なるため、用途によって使い分ける必要があります。
社内全体や部署ごとで対象者が多数いる場合は、朝礼時や会議などで伝えると良いでしょう。急を要する場合は直接口頭で、もし不在の場合は電話などで迅速に対応する必要があります。
また、急を要する訳ではないが、要記録のものは重要性に応じて、文書・日報などで連絡するようにしましょう。
相談の目的と方法
相談の目的は、自分で判断できない内容に対して上司から指示やアドバイスをもらうことです。アドバイスをもらうためには、事前に情報を整理し、相談内容を明確にしておく必要があります。
下記、相談に必要な3つのポイントを紹介します。
- 相談する事柄の現状説明
- 相談する事柄の目的地
- 相談する前に実施したこと、それに対する結果
一番やってはいけないことは、疑問や問題をうやむやにし一人で抱え込み、放置することです。事柄が深刻化する前に上司へ早めに相談することを心がけましょう。
報連相を行う時のコツ
報連相を行う際に気をつけたいのは、相手の状況を確認せずにしてしまうことです。報連相の内容の優先度を考慮し、いつ行うべきなのか、あらかじめ上司の状況を確認しましょう。
しかし、新入社員の皆さんにとっては、何が重要かそうでないかを判断できない場合も多いでしょう。そうならないために、上司から指示を受ける際に仕事の優先度を聞いておくことをおすすめします。
もし優先度を聞いておかなかった場合や、上司から連絡を受けていない事態が発生した場合は、速やかに報連相することをおすすめします。部下、特に新入社員は分からないことがあって当たり前です。きっと上司は優しく対応してくれることでしょう。
また、上司の皆さんは、報連相が上手にできるよう、部下をサポートしてあげて下さい。
おひたしとは
近年、報連相に続いて重要視されている「おひたし」について紹介します。
おひたしとは、報連相の逆で、上司から部下に対するビジネスコミュニケーションのコツ、そして部下がより良い仕事ができるようになるためのビジネスマナー用語です。以下、おひたしの意味について説明します。
お(怒らない)
部下と良い関係を築くために必要なのは、まず「怒らない」ことです。ただ、ここでいう「怒らない」とは、「怒りに身を任せない」という意味であり、部下のことを思ったうえで、適切に「叱責する」ことは部下の成長に必要なことです。
部下が仕事でミスをした場合は、怒りに身を任せず、何がだめで、どうしたらよかったのかを整理して叱責してあげましょう。
ひ(否定しない)
部下と一緒に業務をしていくうえで、部下が間違った報告や、相談をしてくることもあるでしょう。それを正すことは上司の役割ですが、頭ごなしに否定しては信頼関係が揺らいでしまいます。
部下も、部下なりに考えて仕事をしています。まずは相手の意見を受け入れたうえで、自分の意見を伝えることを意識しましょう(イエス・バット法)。
た(助ける)
困っている部下を助けることは上司の役割です。しかし、何から何まで助けすぎてしまうと、部下の成長の妨げになってしまうかもしれません。
最初から助けるのではなく、まずは部下自身に取り組ませてみましょう。様子を見て、助けるのかどうか、そしてどこまで助けるのかを判断しましょう。
し(指示する)
部下に指示を出すのは上司の役目です。部下が最大限業務に取り組めるよう、的確に指示を出しましょう。しかし、何から何まで指示を出してしまうと、部下が自分では判断できない、いわゆる「指示待ち」の人間になってしまいます。
能動的に指示を与えるのは、部下が自分でやるべきことを理解できるまでにしておきましょう。後は、部下の方から判断して「報連相」してくれるはずです。
おひたしの目的
部下との関係は、報連相の一方通行だけでは成り立ちません。「報告・連絡・相談」をただやってもらえばいいというだけでなく、上司は部下に対して「おひたし」を返してあげることで、より良い関係性を築くことができます。
「おひたし」によって、より部下が報連相がしやすい環境になり、また業務もスムーズに進行することで、部下の成長に繋がっていくでしょう。
報連相とおひたしを意識し実行しよう!
報連相もおひたしも、業務において効率をあげ、上司と部下お互いがより良い関係を築くための基本となります。報連相だけでは不完全ですが、そこにおひたしを足すことにより、更なる業務パフォーマンスを発揮できることでしょう。
「ほうれんそうとおひたし」の目的や重要性を理解し、適切に実行していくことが大切です。
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