
広告経由からサイトに訪れ、商品購入やお申し込みをするアクションのことをコンバージョン(以下「CV」という)と言います。マイクロコンバージョン(以下「MCV」という)とは、CVに至るまでのユーザーアクションを言います。今回の記事では、広告運用に重要なMCVの設置や活用法を解説していきます。
目次
マイクロコンバージョンとは
MCVとは、リスティング広告(検索、ディスプレイ)やFacebook広告など経由してサイトに訪れ、商品購入完了やお申込み完了に至る直前のユーザー行動のこと言います。例えば、「カートに追加」や「お申込みフォームへ」「追従ボタン」などのことをMCVと言います。MCVを設定することで、改善のスピードを上げることができ、よい結果へと繋げることができます。
また、ユーザーの離脱ポイントを細かく分析することでサイトの状況を把握することもできます。
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MCVを設定するメリットとデメリット
次は、MCVを設定する上でのメリット、デメリットを紹介します。MCVを設定することで、ユーザーの行動をチェックし広告運用に活用できるメリットや、MCVの設置を多くしてしまい、数値管理が複雑になるデメリットを知った上で、MCVの設定を行いましょう。
メリット①:自動入札に活用することができる
自動入札を活用する場合には、CVのデータが多いほど自動入札の精度が高くなります。CV数が少ない場合、CVに最も関連性の高い完了画面前の確認画面などをMCVに設定し、必要なCV数を確保し、自動入札の精度を高めることができます。
CVに関連性の高いMCVをCVとして、自動入札に用いる場合、広告の入札戦略が自動入札を用いる前とは変わります。よって目標設定をする際には、MCVから目的のCVへのCV率を逆算をするようにしましょう。
メリット②:CVまでのユーザーの行動を数字で把握できる
CVに至るまでにユーザーがどこでどのように行動したかをデータとして確認をすることができるようになります。仮にCV率が下がった場合、MCVやMCV率をチェックすることで、ユーザーがどこで離脱したかを確認し、原因を把握することができます。
デメリット①:管理する種類が増えるため、指標の確認も増える
MCVを導入することで、今まで管理していたCVに加えて、管理する種類も増えます。確認する指標が増えるということでレポートの出力や管理画面の設定も今まで以上に手間がかかる可能性があります。目標とする指標をどうやって管理していくか、MCVを設定する前にあらかじめ決めておくことをオススメします。
デメリット②:自動入札を用いる場合には配慮が必要
CVのデータを活用し自動入札を用いた場合、どのMCVを自動入札に活用するかによって管理画面で設定の変更を行うなどする必要があります。ここで注意しておきたいことは、自動入札のためにMCVのデータを用いるためには、Google広告やYahoo!広告でMCVの設定を「コンバージョン列に含める」にする必要があります。なお、ユーザー行動の計測目的で用いるけど、自動入札には用いない場合には、「コンバージョン列に含める」の設定を無効にしておきましょう。
計測するポイントの設定方法
MCVを設定するポイントとして、「コンバージョンしそうな行動」や「コンバージョンに至る過程での重要な行動」があります。
「コンバージョンしそうな行動」として、お問い合わせや資料請求フォームへの遷移があり、お問合せや資料請求をする意思がある程度固まっているということです。フォームへの遷移数と、CV数に大きな違いがある場合は、フォームに何らかの問題があるということが考えられフォームの改善が必要となります。
もう1つの「コンバージョンに至る過程での重要な行動」とは、「商品の比較ページ」への遷移や「商品カタログ」の閲覧などがあります。商品の比較ページをMCVとして設定することで、ユーザーが商品購入を検討していて、確度の高いユーザーだということが分かります。また、商品カタログの閲覧やPDFのダウンロードなどをMCVとして設定することで、商品の比較ページを閲覧しているユーザーよりさらに購入意欲の高いユーザーということが分かります。
両方の数値を比較することによって、仮説を立てることができ、サイトの改善を行うことができます。例えば、MCV数が多いにもかかわらずCV数に繋がっていない場合、このサイトの情報量や質に問題がある、もしくはお問合わせや資料請求フォームに問題があるのではということがいえます。これにより、サイトやフォームからの流入経路を変えるといった改善を行うことができます。
設定したMCVの活用法
例としてスポーツ系人材派遣の案件に、MCVを設定してみました。広告からサイトに遷移し、各職種から募集要項、登録フォームへの遷移、登録完了とユーザーが進んでいきます。その中で、当初は「登録完了」のみにCVを設定していましたが、「広告からサイトへの流入」にMCVを設定し、改善を行ってみました。
結果、広告の表示回数変化がないものの、サイトへの遷移数が103%の改善。クリック率が107%改善。CV数も110%改善し効果を得ることができました。
MCV設定を行う際の注意点
「コンバージョンしそうなユーザー」をCVポイントまで誘導させることはもちろんですが、「商品の比較ページ」や「商品カタログ」を閲覧している人は多いのに、CVが少ないのであれば、サイトに魅力が無かったり、フォームへの誘導が駄目だったり、といった改善策が考えることができます。
目標もなくただMCVを設定するだけでは改善に繋がることはありません。設定する各階層の母数や傾向を理解することが大切です。設定しているMCVの数が少ないと改善のスピードは上がりません。サイトの階層ごとに、ボリュームの数が一定量ある階層付近にMCVを設定しましょう。
あくまでも効果を得る手段のひとつ
近年の広告の機械学習を利用したWeb広告において、ある程度のデータ量が必要となります。しかし、MCVはCVを獲得するための過程でしかすぎません。最終目的は、CVを獲得するということを頭において、効果がある改善策のうちのひとつとして取り入れてみましょう。
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