金沢を代表とする北陸の富山、石川、福井でよく聞く訪問美容や訪問マッサージとは
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北陸の富山、石川、福井の3県は全国有数の長寿エリアです。

ここ数年の全国幸福度で常に上位にある暮らしやすい地域特性が反映されたものでしょう。この地域で最近、訪問美容や訪問マッサージという言葉を耳にします。

これらは、いったいどのようなサービスなのでしょうか。地域の特性を踏まえて訪問美容や訪問マッサージについて解説します。

 

金沢を代表とする北陸の富山、石川、福井の特性

金沢を代表とする北陸の富山、石川、福井の特性

高齢化の状況

1970年頃の富山、石川、福井3県の平均寿命は全国平均以下でした。それが40年間で改善し、2020年には3県とも全国平均を超えています。

さらに、健康寿命では3県揃って上位です。

男性は、石川県が72.67歳で5位、富山県が72.58歳で8位、福井県が72.45歳で10位に入っています。

女性の場合、富山県が75.77歳で4位、福井が75.26歳14位、石川は75.18歳16位です。全国平均は男性が72.14歳、女性が74.79歳ですから、この地域は健康で長生きの場所と言えるでしょう。

これらの影響もあって、この地域の人口に占める65歳以上の高齢者の割合も着実に増加しています。全国的にも同じ傾向ですが、3県の増加傾向は全国を上回る速度で進行中です。北陸地方は少子高齢化が進んでいる地域といえます。

 

少子高齢化社会を取り囲む環境

北陸、とりわけ金沢で代表される周辺の地域は、都市部に住みながら豊かな自然や山村や漁村の暮らしにも触れ、周辺の山村や漁村に住んでいても都市部で受けられるサービスを同様に得られる構造になっています。

いわゆる、田舎のゆとりと癒しを享受しながら、都市の利便性を兼ね備えた生活圏を形成しているのがこの地域です。そのおかげで、住環境を評価する上で指標とされている暮らしやすさは全国的に見ても高い評価を得ています。しかし、それが定住人口の増加には繋がっていません。そこで、金沢市などの地方自治体は暮らしやすさの強みを活かし、高齢化社会にも生活圏を対応させるように工夫を凝らした活力ある地域づくりに取り組んでいます。

例えば、金沢市で実施されているものに訪問理美容サービスがあります。高齢者福祉の一環として保健衛生と気分転換を目的として訪問理美容サービスを補助するものです。

 

一方で住民の意識を見ると、介護などを支える女性の社会への参画も進んでいて、三世代同居率も極めて高いといったことが特徴です。

全国平均では10万人当り約3,800人の一人暮らしの高齢者がいます。高齢者人口の約16%です。

これに対して、富山県は10万人当り約3,000人で高齢者人口の約11%、石川県は約3,100人で高齢者人口の約13%、福井県は約2,700人で高齢者人口の約10%です。

一人暮らしの高齢者が全国と比較して大幅に少ないのは、高齢者を大切にする地域性からでしょう。また、富山の薬売りに代表されるように健康や長寿、医療に対して関心が高いのもこの地域の特徴です。高齢者に優しい環境が整えられていると言えます。

 

金沢に代表される北陸の訪問理美容やマッサージ

北陸では訪問マッサージや訪問理美容という言葉をよく耳にします。訪問マッサージはマッサージサロンの行うマッサージの出張サービスです。訪問理美容は同じように、理髪店や美容院が行うカットなどの出張サービスのことを言います。

高齢者が多くの割合で家族と同居していても、自由にマッサージを受けに出かけたり、髪を切りに行ったりできるとは限りません。家族の援助を受けて行けるとしても、毎回となると家族の負担も大変です。

また、3県にはそれぞれ35ヶ所前後の特別養護老人ホームがあります。全国各都道府県の特別養護老人ホームの受け入れ可能人数は平均で10万人当たり約1,200人です。これに対して、富山が約1,100人、石川約1,400人、福井約1,700人と全国平均かそれを上回る人が利用しています。

これらの施設では介護は行えますが、マッサージや理美容は医療行為と同じく行うことができません。そこで利用されているのが訪問理美容や訪問マッサージです。

 

訪問マッサージとは?

訪問マッサージとは?

保健衛生を目的としたマッサージ類には、あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう、柔道整復があります。これらによって人に対する施術を行うためには国家資格が必要です。

訪問マッサージは歩くことが困難などの理由で治療院に通院できない人に対して国家資格を持ったあん摩マッサージ師が自宅や施設を訪問して行うものです。

国家資格を持つあん摩マッサージ師以外が行う施術をマッサージと呼ばないように厚生労働省が指導しています。あん摩や指圧は体重をかけて身体の深いところまで刺激を与えるからです。この施術によって、血液やリンパ液の流れが良くなって様々な症状が緩和されます。

 

訪問マッサージとよく混同されるものに訪問リハビリがあります。

訪問リハビリは介護サービスの一つとして利用されるものです。対象は要支援や要介護の認定を受けている人だけになります。その目的は、日常生活での自立を助ける身体機能の維持と回復です。施術するのは国家資格者ですが、マッサージ師ではなく理学療法士です。

 

金沢など北陸のあん摩マッサージ指圧、はり・きゅう、柔道整復など施術所の数

あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう、柔道整復などの施術所は、全国平均では人口10万人に対して約110ヶ所あります。これに対して、富山が約108ヶ所、石川が約120ヶ所、福井が約85ヶ所です。福井県がやや少ないものの、金沢のある石川県では人口に対して全国平均よりも多い数の施術所があります。65歳以上人口で見ると、全国平均は約480に対して富山が約405、石川が約510、福井は約330です。

 

北陸では石川県以外の高齢者にとって、施術所が少ない状況にあります。通所するとしても、選択肢が限られるでしょう。

前に述べたとおり、施術所が多数あっても自分自身の移動が困難だったり、移動のために家族などの支援が必要で家族の都合が悪ければ通院できなかったりすることもあります。そのような場合に、多くの施術所で訪問マッサージが選択できます。金沢市内では20以上の施術所が訪問マッサージに対応可能です。

 

訪問理美容とは?

訪問理美容とは?

様々な理由で外出の機会が制限される介護などを必要とする高齢者にとっても、気分転換して心身をリフレッシュするために理美容は効果的です。美容室や理髪店は法律によって店舗以外でヘアカットなどの理美容行為をすることが原則として許されていません。

しかし、身体的理由などによって美容室や理髪店に行くことのできない人に対して許可を受けた国家資格を持つ美容師や理容師が自宅や介護施設等を訪問して理美容行為をすることは許されています。

 

訪問理美容は地方によって訪問美容、訪問理容、出張美容、出張散髪、出張カットなど様々な呼び名がありますがサービス内容は同じです。訪問理美容を利用する多くの人が介護を必要とする人などであることから、出張理美容に従事する理美容士の多くはサロンとの掛け持ちなどではなく出張を専門としています。

要介護者などからの依頼の多い理美容士は介護や福祉に関する知識も豊富です。

 

訪問理美容は、介護の対象者でなくても高齢で外出が困難な人も利用できます。

同じように、若い人でも病気やケガが原因で自宅から動くことのできない人、入院中の人や障害のある人、妊娠中の人でも外出が困難であれば利用可能です。訪問理美容で依頼できるサービスメニューは店舗でのメニューとほぼ同じです。自宅などで準備するものはありません。シートを敷いて施術し、終わった後は綺麗に掃除してくれます。

 

金沢など北陸の理美容店の数

理美容店数の全国平均は、10万人当たり約96店舗です。これに対して、富山が約110店舗、石川と福井がどちらも約118店舗あります。65歳以上の高齢者人口では、全国平均が10万人当たり約480店舗、富山が約416、石川が約495、福井が約462です。

いずれの地域も、全国平均とほぼ同等かそれ以上の理美容店があることになります。

しかし、移動が困難だったり、家族の支援が得られないような場合には訪問理美容を利用しなければなりません。

石川県内で訪問理美容を広告にあげている店舗は25店舗あります。この内、金沢にあるのは12店舗です。富山県内には26店舗、福井県内には30店舗が訪問理容を広告にあげています。

 

高齢者の多い金沢などの北陸地方では訪問マッサージや訪問理美容の利用が便利

保健衛生上も気分転換してリフレッシュすることは大切です。マッサージなどによって血行を良くすることは健康の維持増進にも繋がります。ヘアカットなどをしてもらうことは精神衛生上の効果も期待できるものです。

高齢者の多い金沢などの北陸地方は暮らしやすい地域として定評があります。

この地域では多くのマッサージサロンや理美容院が訪問施術に対応しており、高齢などの理由で移動が困難な人は利用すると便利です。