無人コンビニの仕組みと社会への導入によってもたらされる影響

人工知能(AI)やロボット技術の発達がする中で、小売店やファストフード店の『無人化』を目指す動きは、世界各地で見られつつあります。その中でも、私たちにとっても身近である『コンビニ』の無人化について、ご紹介していきます。

入店から会計までの流れを踏まえた無人管理体制

通常店舗の営業体制として、店員がいるレジまで買いたい商品を運び、会計を行う流れが一般的です。しかし正社員だけでは営業体制を整えることができず、人手不足を解消するために、アルバイト・パートも考慮した勤務体制を構えている店舗が多いと考えられます。私たちの身近な店舗でも、よく求人チラシが貼り出されているのを見かけます。

既に日本でもスーパーやデパートでセルフレジを利用された方もいらっしゃるかと思いますが、無人レジによって得られる効果の一つとしてやはり、「人件費=人を割かなくても良い」という点を挙げることが出来ます。効率化を目指す現代社会においても、営業時間の節目が無い以上、レジ接客だけではなく、商品の陳列や店内の清掃踏まえた、店舗整理業務も並行して行わなければいけません。

当初「無人コンビニ」という言葉が取り上げられた際、ネット上も含め様々な反響がありました。早々に実現して欲しいという期待も込めた声はもちろん。無人化されることで、万引き、窃盗をはじめとした「盗難対策」をどこまで実現していくことができるのか?という不安な声もありました。

海外の無人コンビニの導入事例であるスウェーデンでは、お店の周囲に監視カメラが設置されることとなり、店内の様子も踏まえて一部始終記録され、陳列商品には”電子タグ(ICタグ)”が付与することで仕組み立っています。ICタグとの連動にて、お店の出入り口付近にはセキュリティゲートが設置されることで、防犯対策も担っていますが、全ての商品にICタグを付与することのコストがネックとなり得てしまい、国内での無人コンビニの導入までの課題として、挙げられている要因でもあります。

”Amazon Go”の発表によるAI技術との比較

日本における経済産業省をはじめとする、ICタグ導入を目指した実証実験が進んでいますが、一方米アマゾン・ドット・コムでは、AI技術を活用してセルフレジでのスピード化を目指した『Amazon GO』の展開が発表されました。

AmazonGOは消費者が専用のアプリケーションを使ってお店に入ります。その後購入した商品をカメラやセンサーなどの情報を通じて、AI=人工知能で認識し商品決済を行うという仕組みです。

このAI技術を活用することで、消費者が入店した後に、どんな商品を買おうとしているか、お店内部での行動がモニタリングされることになります。詳細な内部仕様を公開されていませんが、アプリケーションを携帯端末に導入することで、「何時くらいに来店したのか。」「どういった商品を購入したか。」「店内売り場のどこへ滞在する時間が長かったのか。」が、細かく分かってしまいます。

ビジネス・マーケティングの手段や観点から、有効なシステムであると考えられ、Web(インターネット)上でネットユーザーがどこのページを閲覧し、何のページで商品購入を決めたのか、回遊状態などで蓄積したノウハウが実際の店舗で生かしていく体制に繋がっています。

コンビニが気軽に入店できる場所から遠のく可能性

Amazon Goのような仕組みが整い、日本でも順次導入された時。果たしてお弁当やお惣菜を買うのにセブンイレブンの隣りにあるAmazon Goへ入って行くでしょうか。特に、ICタグを貼れないおでんや鶏の空揚げなどを購入したい人は、売り場のバーコードを手作業で読み込んで決済を行っていくこととなります。コンビニはパッケージで包装されている食品だけを取り扱っているわけではないので、これまで接客係が行っていたひと手間の作業は変わらず発生していくと考えられます。

実作業だけを抜きにしても、大手セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートを各コンビニ業界において、店舗シェアが違っているのは、そこで販売されている商品、商品力が現在の店舗の売上高に影響があることからも、「レジでの決済が不要」という利便性だけで、顧客が実際に入店を決めるか理由となり得ないと考えられます。
雑誌の立ち読みや休憩スペースを目的にコンビニに立ち寄る人がいるように、商品を買うためだけの場所ではないことを踏まえていかなければ、無人コンビニ市場も閑散としてしまう可能性があります。

上記でも記載しましたが、改めて無人コンビニの導入の課題となるポイントはICタグを活用するための導入コストにあります。1個100円のおにぎりが並ぶコンビニで、一点一点の商品にICタグを製造し付与することは、現状採算が合わないと言えるでしょう。日本のコンビニ・流通業界において。実導入から本格的に運営していくためには、充分な時間と技術の発展が必要不可欠になっています。

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筆者

T.Tanaka

Bigmac営業部所属2016年8月入社。前職でWebに携わる方と出会ったことで、Web業界への興味が強くなったことをキッカケにBigmacへ入社。様々な業種やビジネスモデルに触れる機会が多く、毎日が勉強の日々。趣味は映画鑑賞(DVDより映画館派)。話題の作品だけではなく、自分が気になった映画はとりあえず見に行くような週末を過ごしています。お気に入りの映画やオススメの作品があれば、ぜひ教えてください。

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