急がば回れ!様々なブランディング手法

クライアントからの相談で多いのが、採用が上手くいかないという悩み。
仕事はあるが、肝心の社員、スタッフが足りていない。募集しても応募が来ない。なぜだろう。そういうお話です。

労働条件やその職業自体が人気がなかったりなどが考えられますが、一番の理由はその企業で働きたいと思わせるブランド力が無いからだと感じます。採用したい時だけ情報発信をして、反応を得ようというのは中々難しい話です。

就職先で人気の企業は、大企業・中小企業とその規模は問わず、採用に影響するブランド力というものを認識し、ブランディングに予算を投じています。採用、サービスの受け入れられやすさなど、あらゆることに影響する企業ブランド。
今回は、ブランディングの手法について考えてみます。

ブランドとは

そもそもブランドは、自分の家畜を他と識別するために「焼印を押す」ことに由来すると言われています。故にブランドとは、自社商品を他社と違うものとして認知させる役割があって、同業に多くのライバルがひしめき合う現代では、特に重要とされています。

ブランドとい聞いて多くの方は、高級時計や高級車やファッションブランド、普段好んで口にするコーヒーショップなどの名前を連想するでしょう。固有の企業名は挙げられても、なぜその名前が思い浮かぶのかという理由。ブランドの本質とは一体どういうことなのでしょう。

ブランドは、商品やサービスを選択する際に購入者が重視しているひとつの要素です。アメリカのマーケティング協会では、次のように定義されています。「個別の売り手、もしくは売り手集団の商品やサービスを識別させ、競合他社の商品やサービスから差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたもの。」
参考:http://www.brand-mgr.org/knowledge/word/

名称や企業メッセージ、デザインなど、ブランドを成り立たせる色々な要素のことを、ブランド・エレメントと言います。そのブランド・エレメントを通じて、消費者・顧客との関係性が構築されてはじめて、ブランドとして認識される役割を果たします。

商品に名前を付けただけでブランドが生まれるわけではなく、その商品がどういったもので、他とは何が違って、何を大切にして、どんな人に向けて、などその商品の本質が購入者に理解されて初めて、ブランドが存在し始めるのです。

知名度の高さもブランド形成の大きな要素ですが、単に知られていればOKであると言うわけではないのがブランディングの難しいところでもあります。

ブランディングの手法

ブランディングの取り組みには、ブランド名称の考案やロゴマークの作成、ウェブサイトのリニューアルなど幅広く存在しますが、闇雲に発信をしてもこちらが意図する通りに消費者に浸透しません。伝えたいことを正しく伝えるためには、自社のブランド要素を整理して、筋の通ったブランドイメージをぶれずに発信しなければなりません。

プロセスとしては、①今の自社の課題や問題点などの把握 ②業界の現状分析や今後の予測調査 ③事業方針の決定 ④業界で優位に立つためのブランド戦略立案 という順序です。

大事なのは発信ばかりを考えるのではなく、まずブランドの価値自体を考えることです。人は、機能的価値や価格だけを見て、全ての購入を決断している訳ではありません。機能で劣っていることは理解しながらも、そのメーカーの製品が好きだから購入する。そういう感情的価値による判断も購入に大きく影響してくるのです。

ブランディングとはある意味、その商品が当然持ちうる機能的な価値ではなく、選ばれるための価値を創造することだと思います。
ジャンルを問わなければ、誰にでもお気に入りのブランドや商品が存在するはず。顧客にとって自社がそんな存在となるためには、どう発信するかということよりも、こういう会社であるということを決める。そこが全ての出発点となるのではないでしょうか。

ブランドアイデンティティを決め、相応しい手段で発信して顧客との接点を作っていくなかでも、特にロゴやCMで使用するデザインは重要です。なぜなら、デザインにはブランドの本質を一瞬で伝える力があるからです。高級品にはには高級なデザインを、低価格サービスにはお得感を感じさせるデザイン。そのディレクションを間違えないようにして下さい。

また、ブランディング活動は内部向けと外部向けに大別できます。内部向けのブランディング活動により、社員が自社ブランドの本質を理解できていれば、外部に向けた発信にも一貫性が出てきます。会社と社員との結びつき効果にも期待でき、社員の退職を防ぐことにも繋がるでしょう。

ブランディングは、すぐに効果が出るものではなく、中長期的計画に基づき継続的に実施していくものです。ブランドを確立できるかどうかは、自社の在り方をぶれずに貫き通せるかどうかではないでしょうか。

まとめ

SNSを活用すれば、企業だけでなく自身のブランディングも可能な時代。どんな仕事をし、どんな事を考え、何が好きで、何が嫌いか。発信するメッセージにより、自分の人物像をある程度認識付け、つまりブランディングしているのです。人生にプラスとなるようなセルフブランディング。投稿する内容にも気をつけていきたいものです。

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筆者

Y.Nakahigashi

ラジオ局勤務を経て現職。若いスタッフが多いオフィスに、若干落ち着かない40代。見るもするもの野球好きで、少年野球の指導にも携わる。週末に野球をとるか家族をとるか。その選択が現在のもっぱらの悩みとなっている。いつまで経っても100を切れないゴルフと、知人から半ば強制的に連れて行かれる山登りを少々たしなみ、人畜無害の外見からか、知らない人に道を尋ねられることも多数。好きな動物は猫。好きなテレビ番組は「旅サラダ」。

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