アートとデザインの分離と変化

記事公開日:2018.03.27

最終更新日:2018.03.29

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デザインとアートは、よく混同されますが、明確な違いがあります。また、日常の中に強く結びついているものでもあります。Webデザイナーの視点から、過去に生じたデザインとアートの分離と変化、及び今後の展開についてまとめました。

デザインとアートの定義

デザインとは、以下のように定義されています。(引用:デジタル大辞泉)

 

建築・工業製品・服飾・商業美術などの分野で、実用面などを考慮して造形作品を意匠すること。

図案や模様を考案すること。また、そのもの。

目的をもって具体的に立案・設計すること。

定義をまとめると、デザインとは「工芸と芸術を結合した実用品」という意味になります。デザイナーとは日本語に訳すと意匠図案家、設計者という意味になります。現代では「ものづくり」に限らず、「空間づくり」というトータルな「場」の設計にも、デザイナーは必要とされます。

また、アート(芸術)とは、以下のように定義されています。(引用:デジタル大辞泉)

 

1 特定の材料・様式などによって美を追求・表現しようとする人間の活動。および、その所産。絵画・彫刻・建築などの空間芸術、音楽・文学などの時間芸術、演劇・映画・舞踊・オペラなどの総合芸術など。「芸術の秋」「芸術品」
2 学芸と技術。

定義をまとめると、アートとは「人間の独特の価値の表現や美しさを追求する創造活動」という意味になります。

 

アートとの分離・デザインの始まり

18世紀後半に起きた産業革命で分業化された事で、「美術」とは区別される「デザイン」の概念が形成されていきました。19世紀半ばになると、機能性と美しさを兼ね備えた実用品をデザインと定義されるようになりました。

20世紀に入るとデザインは、機能や目的にかなっているかという合目的観点が強調されるようになっていきました。しかし、世界的にデザインの定義が受け入れられていくのは、第二次世界大戦後になってからでした。

デザインから工業デザインへの変化

1920年代から1930年代にかけて、工業が機械化され大量生産・大量消費の時代になり、「デザインの良し悪し」が製品の売り上げに大きな影響力を与えるようになりました。需要と供給を反映するために、商品デザインのモデルチェンジを短期間で行う必要性が出てきました。

結果として、既存品の問題解決をはかり、使いやすさをさらに追及し製品の商品価値を高めていくインダストリアルデザイン(工業デザイン)へと進歩しました。デザインは、美しさを目的とした美術品や自己表現の芸術品であるアートと区別されるようになっていきます。

70年代から80年代の情報化社会になると、デザインは従来の「いかにデザインするか」という技術的観点から「人間・人工の産物・環境の全体的な調和」へと移っていきました。

 

ネットビジネスとデザイン

1991年に世界初のウェブサイトが立ちあげられました。情報技術のイノベーションによって、2000年頃にはインターネットが爆発的に普及し始め、ネットビジネス業界が誕生しました。

「日経ビジネス」や「東洋経済」といった一般的なビジネス雑誌に、ネットビジネス関連記事や最新情報が掲載されることは当たり前になるほど、ネットビジネス業界は発展を続けています。

ネットの活用により、「スタートアップ」と呼ばれる「急成長できる新しいビジネス形態の会社」が増えました。有望な日本企業の中には、多額の投資を受けて「ベンチャー企業」と呼ばれて注目を浴びるケースもあります。

ネットを活用した業界が発展すると専門の技術者が求められるようになります。Webデザイナーは、ネットビジネスの発展によって需要が高められて登場しました。

Webデザイナーに求められるもの

WebデザインはHTMLやCSS・コンピューターの進化、接続環境の進歩で表現方法が多岐に広がりました。 

Webデザイナーにとってサイトは技術の発表の場でも自己表現の場でもありません。クライアントが表現したい事・伝えたい事を理解した上で、ユーザーにクライアントが伝えたい事を余す事無く伝えられるか、ユーザーにとってサイトが使いづらくはないかを考えてサイトをデザインしなくてはいけません。

 

今後のWebデザイン

Webが登場してからまだ30年も経っていません。

書籍や雑誌などの紙媒体から、Webはお株を奪う形になっていますが、産業革命時に発展した印刷業界が蓄積してきたノウハウやアイディアはWebデザインの参考になるものがたくさんあると思います。

AIやテクノロジーの進化に伴って表現の幅が広がることで、Webデザイナーの仕事に変化と発展をもたらすのではないでしょうか?

まとめ

アートとデザインは区別されますが、デザインをする上でアートは参考になったり、インスピレーションをかきたててくれたりと切っても切り離せないものです。身の回りの日用品も家も全てが誰かにデザインされたものです。一見Webデザインに結びつかない物でも、もしかしたらデザインに参考となるかもしれませんね。

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筆者

H.miyashita

「できる事よりやりたい事で働きたい」と考え、Web業界へ転職。ドット柄と星柄のアクセサリーや服の収集癖がある。趣味は読書とゲーム、好きなジャンルはコージーミステリーと時代小説。箱庭ゲームをのんびりまったりプレイする。好きな食べ物はサーモンときゅうりと牛乳。牛乳ならいくらでも飲める。南極大陸に並々ならぬ興味があるけど、極度の寒がり。北欧とドイツにはいつか行ってみたい。ひょうひょうとした大人になるのが目標。

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