情報の発信が良ければプロダクトは売れるという勘違い

記事公開日:2016.12.06

最終更新日:2017.10.18

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世の中には数えきれないほどの商品やサービスが存在します。企業は、商品やサービスを告知・宣伝するために様々な情報発信方法を使用しますが、「良い情報発信を行う」=「売れる」、「認知される」と勘違いしている企業も少なくないはずです。

なぜ情報の発信を行うのか

そもそも企業はなぜ情報の発信を行うのでしょうか?商品を売りたい、利益を出したい、会員登録者数を増やしたいなど、企業によって情報発信する目的は異なりますし、取り扱う商品やサービスも異なります。情報の発信方法として新聞、雑誌、ラジオ、テレビなどの4マス媒体と言われるもの、リスティング広告やSNS広告などのネット広告や通販、さらには口コミなどもある意味第三者からの情報発信と言えるでしょう。

この情報社会になった今の世の中は、全ての商品やサービスを把握することが不可能なくらい膨大な量の情報が氾濫しています。テレビCMやネットショップなどの通販企業が情報発信を行っているから、自社のビジネスでも同様に取り組みをしている。そんな声も良く聞きます。

情報発信が良ければ商品は売れるのか

販売するための製品を作った。イベントを企画した。さっそく宣伝して、販売しよう。集客しよう。しかし、思うように売れない、イベント参加者も少ない。多額の宣伝費用もかけ、テレビCMやネット広告など様々な情報発信方法を試したはずなのに。当然と言えば当然です。

どれだけの宣伝費をかけても、どれだけ効果的な打ち出しをしても、ユーザーにとって魅力的なプロダクトでなければ費用対効果は合いません。情報の発信が優れていても、商品が売れたり、集客できたりには繫がらないということです。

売れないプロダクトの典型例

売れない商品とはどういったものなのでしょうか。売れない商品は決まっています。それは、自分の頭の中だけで考えて作った商品です。一例ですが、「自分の納得のいく商品が作れた。そんなこの商品をいろんな人に買ってほしい」、このようなコンセプトや考え方では間違いなく商品は売れません。

理由は、商品開発のコンセプトが独りよがりだからです。その商品が万が一ヒットし、一時的に業績を伸ばせたとしても、永続的には続かないでしょう。これはイベントの企画なども同一です。自分がこのようなイベントをしたいと思い企画をして実行に移したとしても人はなかなか集まりません。大事なのはユーザーの事を不必要なくらい考え抜くことです。商品を購入してもらう顧客の事を知る、リサーチをすることが必要不可欠です。

意味のあるリサーチ

リサーチすることはとても重要な工程であり、時間も非常にかかります。寧ろここがプロジェクトにおいて最も時間を割くべき部分であると筆者は考えます。商品開発・企画開発のためにリサーチは必須と皆口をそろえて言いますが、具体的にどんなことをすれば良いかという質問に対してはなかなか返事が返ってきません。なぜなら無意識に意味の無いリサーチを行っているからです。

無意味なリサーチの典型例は友人や家族、社員に聞くことです。なぜ無意味なのか?それは売りたい商品を購入したいと思っているお客様の声ではないからです。英語に興味・感心の無い人にどんな英語教材だったら欲しいのかと尋ねると「分かりやすい教材」や「読みやすい教材」、「継続的にできるような」こんな回答が返ってくるはずです。もちろんその回答も間違ってはいませんが、分かりやすい教材とは具体的にどういった教材なのか、継続的に実施してもらためにはどのような対策が必要なのか、世間に出回っている教材はどのようなものが多いのかなど、さらに深く考える必要はあります。

ですので、本当にリサーチしなければいけない対象は、「英語の勉強を本気で始めたいと思っている人で、英語に関する本や情報をネットや書店で探していたり、どれぐらいの費用がかかるのか、その教材はどのような人が過去に愛用していたのかなどを具体的に調査している人となってきます。

売れる商品・サービスのポイント

顧客のニーズを満たせるもの

顧客のニーズを満たすことは当たり前のことですが、ここが一番のポイントです。自分の感覚だけでこの商品は良いと思っても、顧客に評価されなければ価値はありません。前述でも述べたように、友人や家族などに商品やサービスの話して、「絶対売れる」、「成功する」、と言われたから商品やサービスに価値があるものではありません。商品化されても恐らく購入しないでしょう。お客様ではない友人や家族に言われたことは顧客のニーズをとらえたことにはならないのです。ニーズとは単に「これいいね」「欲しいな~」では足りません。ここで言うニーズとは、

・悩みや困りごとは深いですか?
・すぐにでも欲しい緊急性のあるものですか?
・何を差し置いても欲しい商品ですか?

これらの設問に対して「YES」と回答できるものがニーズとなります。

差別化の重要性

差別化の重要性とは、言い換えれば他社と比較した際の優位性や劣位性です。他と比較して勝っている部分、負けている部分、自分の扱う商品やサービスが市場でどのようなポジショニングなのかを明確に理解することが重要です。商品の価格や品質はもちろん、料理の美味しさや従業員の態度など比較する対象はいくらでも存在します。既に勝っている部分はより尖らせ、劣っている部分は戦えるまでの土俵まで持っていきましょう。自社の弱みを理解していない企業は間違いなく差別化の重要性というものを理解してません。

ラインナップが豊富であること

扱う商品が多いに越したことはありません。商品やサービスが一つだけでは、事業の安定は中々難しいでしょう。例えば、クレンジング・洗顔・化粧水・乳液のセットは同じ化粧品メーカーで揃えないと気が済まない、筆者の周りにはこのような人がたくさんいます。全部揃っているとなんだか効きそうだと思う方もいれば、一つでも欠けているとなんだか嫌だなと思う人もいます。後者は漫画が全巻揃ってないと落ち着かない人の感覚に少し似ているかもしれません。

化粧水単品だけで販売するより、ラインナップが豊富ならシリーズ化として、売上全体のボトムアップにも繋がりますし、アップセルやクロスセルでの売り上げ向上にも期待できます。ちなみに、筆者はラインナップが豊富でないサイトや店舗は一度入ったとしてもすぐに出ます。筆者のような人間も少なくは無いので、商品が複数あるという事は、それだけで優位性を示すことができます。

まとめ

情報の発信方法とは、マーケティング論では戦術的要素であり根本的な戦略部分を覆す事は難しいのです。故に、消費者ニーズにマッチしていない商品ではどんなに優れた情報発信方法を使用しても中々売れません。戦術と戦略、双方が重なった時にこそ事業は拡大していき、本当の意味での顧客・消費者ニーズに応えることのできるプロダクトを提供できるのではないでしょうか。

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筆者

T.Yoshida

Bigmac inc. マーケティング事業部 所属。2016年4月にbigmac inc.に入社。 現場監督という職歴を経て、未経験であるWeb業界へ参入する。 趣味はサッカー、落語、ギター、麻雀、youtubeなど。 音楽・漫画・映画・ドラマなどのコンテンツは古い年代のものが好きで、同世代の話には中々ついていけないのが悩みの種。 「変わり者」と言われる事が何よりの誉め言葉と捉える、自他共に認める変わり者。

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