マーケティング戦略におけるプロダクトライフサイクル理論を詳細解説

マーケティングを行う際には戦略・市場・競合関係など自社の商品やサービスにおける市場の調査をします。その市場調査委に基づいて広告・マーケティングの施策を考えて行くことは大切です。この時に最も大切なのは、自社の商品・サービスが消費者にとって現在どのような段階にあるのかを把握することです。

商品・サービスにおける市場での成長段階があります。商品・サービスから得られる利益を最大化するには商品や市場がライフサイクルのどの段階にあるのかによって取るべき戦略を変えることが必要です。商品・サービスにおいての成長段階のことをプロダクトライフサイクルといいます。

プロダクトライフサイクルとは

新たな商品・サービスが市場に登場してから、それらの商品・サービスが最大化して、やがて売れなくなり市場から姿を消すまでの期間のことをプロダクトライフサイクルといいます。プロダクトライフサイクルは19世紀のイギリスの数学者ベンジャミゴン=ゴンペルツ氏が植物の繁殖からヒントを得て成長曲線の法則を提唱したことから生まれました。

この成長曲線は商品・サービスの段階だけでなく、人口増加、生産量予測などにも応用されるものです。プロダクトライフサイクルは1960年代にアメリカの経済学者レイモンド=バーノンによって提唱され、近代マーケティングの父と呼ばれるフィリップ=コトラー氏などによって広められました。

プロダクトライフサイクルには4段階ある

プロダクトライフサイクルは商品・サービスにおいて市場登場から姿を消すまでの成長曲線ですが、その成長曲線には4段階あります。導入期→成長・成熟期→飽和期→衰退期という4段階です。マーケティングを行う上でこの4段階を抑えておき、自社の商品・サービスが現在どの立ち位置にいるのかを把握する必要があります。

段階ごとに取るべきマーケティング戦略は変わります。具体的な段階の説明とマーケティング戦略について解説します。

導入期

導入期は一言でいうと商品・サービスが認知される期間です。

導入期の特徴

市場に初めて登場するものなので、消費者の認知度は低く、需要量も低いです。商品・サービスの認知度が低いので、販売促進や流通などの初期投資として資金が多く必要です。利益はほぼゼロに近い状態、またはマイナスでのスタートとなります。

導入期の戦略

導入期でのターゲットはイノベーターと呼ばれる人達です。イノベーターとは新しいテクノロジー・技術に関心を持つ人のことです。導入期のポイントは商品・サービスを認知し流通することです。消費者に実際に試用してもらうなどのプロモーション活動も必要になります。商品が売れる保証がないうえに、プロモーション活動の費用など多くの資金かかってしまいます。

正直、小さい会社や資金のない会社は導入期の商品・サービスは取り扱いにくいです。
しかし、ライバルが不在ということにおいては有利です。イノベーター、そして高所得者を顧客層に絞ることが導入機の商品・サービスで勝つポイントと言えるでしょう。

成長期・成熟期

商品・サービスが消費者に認知され市場に普及し売上が最大化する段階です。

成長期・成熟期の特徴

市場に参入する人が増加し認知の増加に伴い売上も上がります。生産設備の強化や流通し更なる販売路線を拡大する為に資金が必要になります。また、競合他社が増える時期なので、他社との違いを明確にする為にブランドの確立が必要です。また、成熟期に入ると商品・サービスの改良が行われます。大量生産が始まる次期で販売価格が下がり、商品の種類が増えます。

成長期・成熟期の戦略

この時のターゲットはアーリーアダプター、またはアーリーマジョリティと呼ばれる人です。アーリーアダプターとは他社の導入事例・実績がなくても導入・検討を行う人のことを指します。アーリーマジョリティとは、技術やテクノロジーではなく実用的なこと、実績や事例を重視しています。
ある程度、商品・サービスが市場に出た後で導入及び検討を行う層のことを指します。

成長・成熟期には商品には売上が一時的に横ばいになることがあり、この横ばいの期間をプラトー現象といいます。プラトー現象とは導入期~成長期でのイノベーター、アーリーアダプターの「新しさ」を求める顧客層からアーリーマジョリティーの「安心感」を求める層へのシフト期間を指します。

プラトー現象を越える際の戦略をボーリングレーンと言います。ボーリングの1番ピンを倒すと次々にピンが倒れていくということが比喩された戦略です。まずは市場を細分化し1番ピンを攻略する。そうやって市場を次々に攻略するというものです。

成熟期に入るかどうかは顧客層(ターゲット)がアーリーアダプターからアーリーマジョリティへいかにシフトすることが出来るかがポイントです。また、競合他社が増える段階なので、参入を検討する際は競合他社の分析を行うこと。さらに、どこで差別化を行うかなど検討することが必要です。

飽和期

プロダクトライフサイクルにおける飽和期は需要量がなくなり、売上が下がり、利益率が下がる段階です。

飽和期の特徴

需要と供給が逆転している市場で成長は見込めない段階で、広告やブランドの効果もなくなり、競合他社との市場シェアを価格競争で奪い合う段階です。

飽和期の戦略

成長期・成熟期には販売路線の拡大、ブランドの確立など攻めの姿勢であることがポイントでしたが、飽和期になると不要なものをカットして利益を上げるという保守的な行動をせざるを得ない段階です。

商品のパッケージ変更など商品の特徴、特製を変更するなどの施策が必要です。

衰退期

プロダクトライフサイクルの衰退期は売上がゼロになるもしくは需要は少なくなり低レベルで安定する段階です。

衰退期の特徴

技術の進化、消費者の求めるもの変化、競合他社との競争の激化などが要因となり、市場から撤退していく企業が増加します。

衰退期での戦略

衰退期での戦略は2つあります。市場から撤退すること、市場を維持することです。市場を維持する場合は製品を細分化すること、新しさを追加出来ないかどうかを考えます。

現状の商品・サービスに対してプラスして新しい市場にならないかどうかを考える必要があります。つまり衰退期の商品を成長期の市場に打ち出すかどうかを検討する段階なのです。

プロダクトライフサイクルを見て自分を知ることがマーケティング戦略のはじまり

マーケティング戦略を行ううえでプロダクトライフサイクルを知っておくことが必要です。商品・サービスにおいての自社商品・サービスの立ち位置を理解していないと、優れた戦略であったとしても段階によっては意味をなさないこともあります。正しい次の一手を生み出すことも出来ません。競合他社などの相手を知る前に自分を知ることがマーケティング戦略のはじまりです。

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