声なき声、サイレント・マジョリティ

みなさん、サイレント・マジョリティって聞いたことがあるでしょうか?

聞き覚えがあるような…とお思いの方はもしかしたら欅坂46さんの出された楽曲「サイレントマジョリティー」を思いつくのではないかな、と思います。筆者も初め聞いたときはそう思いましたが、違いました。サイレント・マジョリティはマーケティングにおいて、知っておきたい単語の一つです。簡単ですが説明をしていきたいと思います。

サイレント・マジョリティとは

サイレント・マジョリティとは、公の場で声高に積極的に自分の発言しない大衆の大多数のことを指します。物言わぬ大衆。声なき声。とも言われています。

サイレント・マジョリティのはじまり

サイレント・マジョリティが生まれたのは、アメリカのニクソン大統領が、1969年11月3日の演説で「グレート・サイレント・マジョリティ(the great silent majority)」と、この言葉を用いられました。その発言がされた当時、ベトナム戦争に反対する学生などが反戦運動が活発になっていました。

しかし大統領はそういった運動や発言をしない大多数のアメリカ国民は「ベトナム戦争に反対していない」=「発言はしていないが現体制を支持している多数派」、という意味でこの言葉を使いました。

サイレント・マジョリティの認識

それ以降、サイレント・マジョリティは、発言はしないが、現体制を支持しいている多数派というニュアンスで用いられるようになりました。

特別な感情や意見をもつ少数派は積極的に意思表示を行いますが、特別な感情や意見を持たない多数派は意思表示が難しいため、波風の立たない多数派の意見は注目されず、際立った少数派の意見にはスポットが当たるということが起きます。

サイレント・マジョリティのニーズの把握

マーケティング業界において、サイレント・マジョリティの存在は、以下の観点から重要視されてきました。

商品やサービスに対してクレームや意見を述べる人はごく一部であり、大部分の人は「意見を述べない消費者」=サイレント・マジョリティであります。クレームや意見を寄せてくれる人はとても貴重な存在でありますが、その意見だけを聞くことが、必ずしも大多数の人々の意見を反映するものとは限りません。

ヒット商品を生み出しているのは、メディアなどに取り上げられる一部の特殊な消費者層ではなく、それを周りで見ている大多数のサイレント・マジョリティであります。

これらの大多数の消費者層のニーズを解き明かすためには、従来より電話調査や郵送調査、インターネット調査など様々な方法での調査が行われてきましたが、実際にはこれらの調査で分かることには限りがあります。

そのためマーケティングに関わる人にとって、調査などのデータから読み取ることが課題であり、命題であります。

ソーシャルメディアにより今まで見えなかった消費者の声が浮き彫りに

FacebookにブログやTwitterなどのソーシャルメディアが発展して、利用する人口は着実に増えています。

今まで商品やサービスの情報を入手するには雑誌やCMなどからしか得ることができなかった消費者ですが、今では商品やサービスに対して様々な意見や感想を、気軽にそして簡単にインターネット上でやり取りできるようになりました。

企業は、リアルに実際交わされている会話をインターネットで知ることができるようになりました。

これらの声も、企業からのアンケート調査とは異なり、消費者が「企業向け」に作った発言ではなく、企業に本当に思っていることであるので、企業はより消費者の声に迫ることができます。

注意しておきたいこと

しかし、ソーシャルメディアで拾える消費者の声も、まだ限定的なのであるということもわかっておかなければいけません。ソーシャルメディアを利用する人口は増加していますが、年齢層や地域、職業など利用者層に偏りがある、という事実があります。

また、ソーシャルメディアを利用していても、実際に「発言」をせずに読んでいるだけの人、インターネット上のサイレント・マジョリティも多く存在するでしょう。そして、様々な人の声が聞こえるようになりましたが、「今までもよく発言してきた人の声がより大きく聞こえるようになった」という側面も存在します。

インターネット上でのサイレント・マジョリティ

サイトなどの訪問者の構成は、閲覧のみのユーザーが大多数を占めています。投稿するユーザーはわずかであることから、書き込みや口コミ評価の多くは、一部の積極的なユーザーによる投稿であるとも言われています。

大多数の消費者は、商品やサービスに不満があったとしても、クレームを言わず店を黙って出てしまいます。そのことから意見を言う客のほうが目立ちますが、全体的にはサイレント・マジョリティの消費者が圧倒的に多いです。

その一部の積極的なユーザーを優遇しすぎると、常連しか発言できないような場の雰囲気を形成してしまい、サイレント・マジョリティの声が出せない、もしくは出しにくい状況を形成されてしまう、というリスクも考えられます。そのために気軽に書き込みや口コミができ、参加しやすい仕組みをつくっていくことが課題の一つです。

まとめ

サイレント・マジョリティの声、消費者の声なき声は、全体の一部である消費者の大声によってかき消されてしまうことも多く、消費者の声なき声に気がつくことができるか。これは、重要なマーケティングセンスのひとつだといえます。

しかし、消費者の声を聴くことも大事ですが、消費者全体を見ることをしなければ、消費者のためと思ってした行動も、声なき声の消費者にとっては望まない結果かもしれません。企業側には、これら様々な消費者の発言をきちんと精査し、本当に自社に必要である声を聞いていく姿勢が求められます。

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筆者

C.Tada

Bigmac株式会社 メディア事業部所属。 広告の楽しさと文字がもたらす可能性の広さに惹かれ、2016年にBigmac株式会社に参画。 SEOの奥深さと面白さを感じながら業務に行い、より面白く読みやすい記事をライティングすることをモットーに、日々日本語と格闘中。 趣味は読書と史跡巡りと水族館に行くこと。好きな食べ物は焼肉とコーヒー。高校野球観戦が大好きでよく見に行くが、ルールはまだいまいちわかっていない。

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