校正の意味とは?文章を正しく校正するためのポイント

「文章を校正する」ということをTVや本の中で見かけたりしますが、そもそも校正するってどういうことなのでしょうか?「校正」とは、石原さとみ主演の校閲ガールというテレビドラマも放送された影響もあり、文章に修正指示を出すことかな、と想像できてもはっきりと意味を理解していない人も多いのではないかと思います。まずは校正という言葉の意味と校正する上での大切なポイントを学んでいきましょう。

出版業界では必須の「校正」という仕事

校正というと地味な裏方の仕事のイメージがありますが、出版社の編集部には校正セクションが別に設けられているくらい実は非常に重要な仕事です。また校正でミスがあったことが原因で、一度刊行された本が回収されたり、出版社や執筆者にとって残念な結果となってしまうこともあります。

校正・校閲・推敲の違いとは?

文章を正しく修正していくことを調べた過程で登場する言葉に「校正」という言葉の他に、他に日本語の似通った言葉である「校閲」と「推敲」があります。文字面も似ており全て同じ意味なのではないかと曖昧にされがちですが、実は明確な意味の違いがあるのです。出版物の記事作成の順序では、執筆 → 推敲 → 校閲 → 校正 の流れになります。
出版社では、執筆と推敲の過程で執筆者だけでなく編集者の判断や指示が関わり、校閲・校正で編集部の専門者が行ったりしています。全ての過程を執筆者が行う場合もあるようです。

推敲とは

推敲という言葉は中国から来ました。「推敲」という言葉は唐の詩人、賈島(かとう)が「僧は推す月下の門」という詩の制作中に、「推す」という個所を「敲く(たたく)」にしたほうがいいか迷った末、韓愈(かんゆ)という優れた文士に尋ねて、「敲く」に直したという故事から生まれました。故事からも分かるように、「推敲」の意味は一度書いた文章をもう一度じっくり読み直して、言葉の選び方、ストーリー、描写の仕方などが適切でない場合に文章を修正していく作業です。

校閲とは

校閲から後の作業は「書く」ことから「読む」ことに重点が移ります。「校閲」からの仕事は徹底的に客観的に文章を読むことが基本になります。校閲は書かれた原稿を客観的に読み、スペルチェック、誤字がないか、矛盾がないかを探し修正していく作業です。

校閲の具体的な手順として「素読み」と「事実確認」があります。「素読み」で誤字や意味の矛盾を見つけ、「事実確認」は原稿に書かれた名前・地名などやデータが正しいかどうかを調べて誤りを見つける作業です。実際に文章を書くのと同じくらい時間がかかる仕事です。

校正とは

校正は出版直前の文章修正として最後の締めになる重要な作業です。出版物などにする場合、校正は原稿と製作物を比べ合わせて、文字に違いがないか一字一字チェックすることです。この作業を業界用語で「突き合せ」と呼びます。「突き合わせ」は文章を読むのではなく、「文字」が間違っていないか見る作業です。

その次に「赤字照合」という段階があり、原稿修正段階での修正箇所や校閲での修正点、初稿の再校…と、原稿が校正の段階にくるまでの修正内容を確認する作業です。修正内容が全て1つ前の工程と比べて誤りがモレなく修正されているか、照らし合わせているかを確認し、何回にもわたってこの作業が繰り返されます。校正とは「文章」の意味に惑わされずに文字を見る、職人のような作業が必要とされます。

人間の脳の文字の認識

出版物が発行されるまでは実際に原稿が完成されて終わりではなく、出版物として出版されるまでには大変な努力がされています。しかし、工程作業の順番を複数人で行っても「人間の脳」のある力により時折、誤字のまま出版されてしまうことがあります。

こんちには みさなん おんげき ですか? わしたは げんき です。
この ぶんょしう は いりぎす の ケブンッリジ だがいく の けゅきんう の けっか
にんんげ は もじ を にしんき する とき その さしいょ と さいご の もさじえ あいてっれば
じばんゅん は めくちちゃゃ でも ちんゃと よめる という けゅきんう に もづいとて
わざと もじの じんばゅん を いかれえて あまりす。
どでうす? ちんゃと よゃちめう でしょ?
ちんゃと よためら はのんう よしろく

引用:斜め上のサプライズ

こちらのサイトで紹介しています。上の文章が意外にすらすら読めた、という人が多いのではないでしょうか。
ケンブリッジ大学の研究で、人間の脳は最初の文字と最後の文字があってさえいれば、文字が入れ替わっていても意味が理解できる、という機能があるという研究があります。文字が入れ替わっていても意味が理解できるから誤りに気づかない、ということらしいですが人間の脳は面白い機能が備わっているものですね。「校正」のお仕事をされている人は、「読む」ことではなく「見る」ことに特化しているとも言えます。

校正でチェックするポイント

現在、インターネットの発達により自分の文章をブログ記事などで無料で発表できる世の中になりました。出版社ではなく個人として文章を校正する場合の、具体的なチェックポイントを挙げると次のようになります。

  1. 誤字
  2. 語法
  3. 語順
  4. 句読点の位置
  5. 文末の統一(~です。~ます。~である。など)
  6. 記号が適切かどうか(会話文は「 」を使う、引用文は” “を使う)など

その他にも文章の中で接続詞が多すぎたり使いすぎてはいないか、代名詞、指示名詞などがもし必要なければ、無駄なものを省いて文章を伝わり易くしていきます。

正しく校正するとっておきの方法とは

客観的に読むといっても、自分で書いたものを自分で校正する場合、なかなか間違いが見つけられません。客観的に間違いを見つけるためのとっておきの方法をお教えします。

声に出して読む

目で読むよりも声に出して読んだほうが、文章のリズムやテンポがよく分かります。句読点の適切な場所などはすぐ分かるはずです。流れがスムーズでない文章は読んだ人も読みづらく感じるものです。

他人に読んでもらう

自分だけで読んでいると「文章が正しい」という思い込みが強く、客観的な視点で見ることができません。他人が読むことで、書かれた文章で伝えたいことがちゃんと伝わっているのか、分かりやすい文章かどうかがはっきりします。理想的なのは文章のテーマについて全く知らない人に読んで見てもらうことです。文章を書いていると自分が理解している専門用語を使いすぎてしまう傾向にあり、一般の読者には意味が分からず理解しにくい文章になってしまいます。専門用語を使うときには説明を付け加える必要があります。テーマについて知らない人が読むことで誰もが読んでもわかりやすい文章にすることが大切です。

翌朝、記事を読んでみる

夜寝る前に素晴らしい文章だと感じていても、翌朝読んでみるとそんなにも良くなかったりすることってありませんか?書いた後時間的な間隔を置くことで、陶酔状態から覚めて客観的に読むことができるのです。最低でも1~2時間置いてから読むと効果が見られます。

プリントアウトしてみる

PCではスクロールしながら見るため、間違いを見落とす可能性が高く、PC上のデータであればプリントアウトして確認する方法がおすすめです。同じ文章であっても、PCでスクロールしながら見る文章と、プリントアウトした文章では全く印象が違い、見落とす可能性が高いのです。その点印刷されたものは全体が見えるため、行間やスペースなどが適切かも一目で分かり、ペンでなぞって書き込むこともできるため文字や言葉の間違いを集中して探すことができます。

チェック項目を書き出してチェックを入れる

確認を行わなければいけない作業をチェック項目に書き出しチェックする方法があります。自分が見落としがちな作業をチェック項目を書き出すし、ひとつひとつ確認を行いましょう。再度確認をひとつひとつ行うことで作業の振り返りや、行わなくてはいけない作業のモレも防ぐことが出来ます。チェックしなければいけない項目を全て書き出し、チェックマークを入れる習慣を作りましょう。

校正という作業

校正は文章のアイデアや発想、意図するものが成功に結びつくかどうかの、最後の重要な作業です。最近では校正ソフトなどのツールも出ているそうですが、機械で誤字脱字を確認することは可能かもしれませんが文章の微妙なニュアンスや流行の情報などは人間でなければ捉えることは不可能です。文章中の表現で作者の意図でそのような表現になっている場合もありますが、そこは機械で判断するのは難しいでしょう。最後は人の手という表現もありますが、まさしく「校正」のお仕事はそのことがいえる仕事だといえるでしょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加

筆者

C.Tada

Bigmac株式会社 メディア事業部所属。 広告の楽しさと文字がもたらす可能性の広さに惹かれ、2016年にBigmac株式会社に参画。 SEOの奥深さと面白さを感じながら業務に行い、より面白く読みやすい記事をライティングすることをモットーに、日々日本語と格闘中。 趣味は読書と史跡巡りと水族館に行くこと。好きな食べ物は焼肉とコーヒー。高校野球観戦が大好きでよく見に行くが、ルールはまだいまいちわかっていない。

筆者が最近執筆した記事