地域広告媒体の末路と活用法

地域広告媒体の末路と活用法

4月になり、地方のテレビ局やラジオ局も恒例の番組構成や出演者の変更があったようです。メディア不況といわれて久しい昨今。FMラジオ出身者としては、変わらない現状に若干のさみしさがあるのも事実です。今回は地方マスメディアについて考えてみました。

感じる縮小への構図

感じる縮小への構図

テレビもラジオも新聞も、求められるものは情報の発信です。特にローカルの場合は届けられる地域の人々が知りたい情報に限定されてきます。映像、音声、活字と、それぞれメディアの特性は異なりますが、福井に暮らす人々が福井のメディアに求めるのは福井の情報なんだと思います。

 

ですが、ここ20年ぐらい各社ともイベントばかりを行って自社メディアをイベントの広報媒体として好き勝手に使用していると感じます。ただでさえ、SNSの普及でマス媒体に頼らなくても企業や個人が自由に情報発信を行える現在。各マスコミが発信を受け取る人のことを考えない、矜持を感じさせない在り方では何とか保っている引力も、ますます弱くなっていくでしょう。

 

利益が出ないと会社は存続できません。存続するために先に紹介したイベントや事業での単発的な売上を獲りに行っているのでしょう。その予算での出どころは大体が官公庁関係ですが、彼らも予算が厳しくなり、県民がそれほどイベントを求めていないことを感じるはずです。県や自治体のイベント予算が減った時、地方のマスメディアは今の地位を失って、ますます広告収入を得られにくくなるでしょう。

特徴を出して生き残る

特徴を出して生き残る

テレビやラジオや新聞が生き残るには、極論ですが、地域の小さな情報を信頼性を伴う形で日々発信し続けるしかないと思います。個々人が発信する情報と信頼できる先からの情報という差別化に真剣に取り組むべきです。

 

テレビ・ラジオ・新聞社が今の組織を解体して、新たに一つの巨大な組織になる。そして、事業や広告営業部隊に人員を割くのではなく、情報収集取材部隊にほとんどのスタッフを投入する。スポーツや文化・経済・イベント情報など福井県内の情報をつぶさに発信できる存在を目指し確立できれば、福井の人が信頼し、便利だと思ってもらえる存在に生まれ変われるかもしれません。

 

実行すると、今の関係各位から半分程度の人は職を失っていくことになるでしょう。媒体社が縮小しコンパクト化されれば、関係値の深い広告代理店も同じくして減少、もしくは消滅してしまうかもしれません。世の中に必要とされていない存在は、淘汰されるのが自然ではないでしょうか。

デジタルと地域媒体の相互利用

デジタルと地域媒体の相互利用

テレビCMやラジオCM、新聞広告の効果に疑問を感じ「デジタル広告を検討したい」と、多くの相談をいただいています。デジタル広告に取り組んだら、すぐに効果が出ると思うクライアントが多いのも事実です。私は、深く考えもせず毎月ただテレビCMを流し続けているクライアントの考えにも問題があると思っています。

 

デジタル広告は魔法の杖ではありません。ビックマックはデジタルマーケティングが主なサポート分野となっていますが、有効だと判断すればテレビやラジオの活用を提案をします。特に地域限定で事業を行っている企業であれば、少なからず地域の信頼を勝ち得ているローカルメディアの活用は有効だと思っています。

 

商品や企業への信頼を積み重ねる場合は、媒体社の持つ信頼性は活用するべきです。ただし、今の媒体社のパワーは以前より落ちています。CM単価もそれに応じて下がる傾向にあります。シビアに料金交渉を行うことをお勧めします。

まとめ

まとめ

各媒体が本来の特徴を理解し、発信すること。少なくとも私は新聞社やテレビ局、ラジオ局にイベントなどは求めていません。ラジオ出身なのでラジオに求めることを書きますと、その日の気候や時節柄にあう選曲とトーク。特にFMは音楽をベースにした心地よく、いつも当たり前に流れている空気のような存在であって欲しいのです。

 

自分たちの存在場所をしっかり考えて、居場所をとことん追及して頂きたいと願っています。

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