デザイン修正を減らすためにデザイナーができること

デザイン修正を減らすためにデザイナーができること

修正の多いデザイナーと少ないデザイナーの違いってなんだと思いますか?もちろん、センスや技術面のレベルの問題もありますが、実は、それよりも重要なことがあるのです。
この記事を読み終える頃には、それがなんなのか、きっと分かるはずです。

今回の記事では、

・なぜ修正が生まれるのか
・修正を減らすためにデザイナーができること

この2点に焦点を当てて、お伝えしていこうと思います。

なぜ修正が生まれるのか

デザインイメージの相違・伝達ミス

二人の人間が直接会って話をしても、言葉の意味の履き違え捉え方の違い、単純な聞き間違い・言い間違いによる勘違いは起こってしまうもので、イメージの相違をゼロにするのは至難の業です。発注者(クライアント様)と制作側(デザイナー)の間に人が入れば入るほど、イメージの相違は大きくなり、まるで伝言ゲームのようになってしまい、当然、デザイナーが作るものが、クライアント様が求めているものからかけ離れてしまう場合が多々あります。

クライアント様都合の修正

要望のぶれ

クライアント様は、大きく3パターンに分けることが出来ると考えています。
(1)デザインに対するこだわりがあまりなく、ある程度デザインを任せてくれるクライアント様。
(2)デザインに対するこだわりが強く、完成イメージがある程度固まっているクライアント様。
(3)デザインに対するこだわりが強く、完成イメージが固まっていないクライアント様。

(1)(2)(3)の順で、修正の数が多くなります。 (2)に関しては、イメージが固まっている分、修正指示が明確でぶれません。 (3)は、イメージが固まっておらずふわふわとしているので、 「Aがいいと思ったけど、やっぱりBにしてみてほしい!」「Bにしてもらったけど、やっぱ変だからAに戻して。それかCでやってみて!」という感じの修正依頼が来ます。そして、言われるがままに対応した結果が、「なんか違う…」 「なんか」って何でしょうね…

コンテンツの追加・削除

ある程度、形になってきて納品までもう少しというときに「この文言追加してください、わりと目立たせてほしいです。」 しかも結構な量。 Webサイトの場合は、セクションを増やすなりして入れ込むことが出来ることが思いますが、 チラシやバナーなど、サイズが決まっていてその中に収めなくてはいけない場合の、コンテンツ追加は大変です。 逆に、ぴったり綺麗に収まっていたのに「ここの写真、要らない」という場合も、ぽっかり隙間ができてしまいます。

デザイナー都合の修正

デザイナーの技量不足

クライアント様の要望は理解できているけど、それを具現化する技術やセンスがない。 これは、言うまでもなくデザイナー都合の修正です。

単純ミス

誤字脱字・サイズ間違いなど、単純な確認不足のために起こる修正です。 校正確認を、見慣れてしまっている自分以外の人にしてもらうことで、ある程度防ぐことは出来ますが、自分でも確認出しの前に今一度確認するようにしましょう。

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デザイン修正を減らすために出来ること

本当に必要な修正かどうかを見極める

「ここの色、青にしてください。」という修正指示をいただいたとき、あなたはどうしますか?何も考えず指示通りに対応してしまうのが一番楽ですが、私の場合は、まず第一に「青にする理由はなんだろう?」と考えます。 そして、しばらくして青にした方が良い理由が見つかるときと、どうしても見つからないときがあります。 見つかったときは、すぐに対応しますが、見つからなかったときは理由を聞くようにします。 理由を聞いて、納得できれば対応しますが、どうしても納得のいかないときは、「◯◯だから青にしないほうが良い」という、理由付きの提案をします。

一般的に、クライアント様はデザインに関しては素人の場合がほとんど。 ときにはデザイン的によろしくない修正指示を出してしまうのは当たり前のことです。 そこで、言われた通りに作業するのか、クライアント様のためにも提案としてこの修正は行わない方がいいと伝えるかで、「前の方が良かった」と言われてしまい、修正が発生することを防ぐことが出来ます。

制作に取り掛かる前に、最低限確認しておきたいこと4つ

要素の優先順位

構成案の要素それぞれ(どんな小さな要素にも全て)に、優先順位をつけます。
(例 チラシの場合)
タイトル部分は1番目立たせたいので60%
キャッチは2番目に目立たせたいので20%
写真は3番目に目立たせたいので、10%
2枚ある写真を7:3の割合で 本文は5%、クーポンも5% というような感じです。ここをしっかりさせることで、その制作物の目的(何のために、誰のために作られるものなのか)を正確に把握できますし、レイアウトの手助けになります。

色を決めるときのポイントは2つ。 「ユーザーに与えたい印象・コンセプトを定めてから決めること」と「色は具体的に」です。チラシを10秒ほど流し読みした人に、どういう印象を抱いてほしいか、文章で表してみます。
(例:カフェの場合)
・ナチュラルな感じで子供連れでも安心、という印象→ベージュ、アースカラー
・都会っぽい雰囲気で、少々敷居が高そう、という印象→黒
印象を表す文章から連想されるカラーを使うことで、与えたい印象をそのままユーザーに与えることが出来ます。青と一言で言っても、様々な青があります。 「深海のような濃い青」「夏の晴れた空のような爽やかなで青」「緑がかった、ミントのような青」など具体的にすることが大事です。 また、色はデザイナーにおまかせでという場合でも、せめてNGカラーだけは確認しておきましょう。

フォント

高級食材のサイトなのに、フォントがポップな丸ゴシックだったり、若い女性向けの可愛い雑貨のサイトが行書体だったら…想像しただけで違和感丸出しですよね。 フォントは、伝えたいイメージやターゲットとなるユーザーに合わせて決めましょう。フォント選びについて、過去に書かせていただいた記事があるのでご参考までに
今日から使えるフォント選びのルール

参考デザイン

ボタンのデザイン、メインビューの文字のデザイン、アイコンのデザインなど、部分ごとに参考サイトのURLと参考箇所のキャプチャ画像を用意してもらうと、イメージに近いデザインに仕上げることができます。 先述した色やフォントに加え、ジャンプ率(要素同士の大きさの比率)なども、参考サイトを立てることで、クライアント様とデザイナーのイメージのずれを最小限に抑えることが出来ます。

参考デザインを探す際には、クオリティの高いデザインを集めている下記のようなサイトから探すのがおすすめです。
▼印刷物全般(ポスター・ロゴ・名刺etc)
ピンタレスト
▼Webサイト
Web Design Clip
▼バナー
レトロバナー

上記の4つの最低限確認しておきたいことは、「制作案件に取り掛かる前」に把握しておくことで、デザイナーはデザインのイメージが格段にしやすくなり、修正回数も減る上、制作時間も短縮できます。

まとめ

制作会社の体制によっては、デザイナーとクライアント様とが直接やり取りする機会が少なく、大量の修正が来ても仕方ない…と諦めているデザイナーも多いのではないかなと思います。ですが、 制作に取り掛かる前の準備をしっかりすること、何かひっかかることは早めにディレクション担当者に確認すること、などデザイナーにも修正を減らすために出来ることはたくさんあります。

また、今回ご紹介したような知識を持っておくだけで、WebデザイナーからWebディレクターに転職した際に、戸惑うことも少しは減るかと思います。
意味のあるデザイン修正は、デザイナーを技術面では勿論のこと、人としても成長させてくれます。意味のあるデザイン修正を行い、よりよいモノをより多く残せるデザイナーになりたいですね。

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