マーケティングファネルとは? 基礎から活用方法まで徹底紹介

マーケティングファネルとは? 基礎から活用方法まで徹底紹介

マーケティングにおいて、一度は「ファネル」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?マーケティング設計の際に利用するモデルの一つです。マーケティングファネルの考え方や活用方法を理解すると、より効果的なマーケティング施策が打てるはずです。

本記事では、マーケティングファネルとはどういったものか解説します。さらには概要から、それぞれのファネルの特徴、活用方法について紹介していきます。マーケティング活動の改善に、ぜひ参考にしてみてください。

マーケティングファネルとは?

マーケティングファネルとは?そもそもマーケティングファネルとは何を意味するのでしょうか?マーケティングファネルの意味から理解し、考え方を身に付けていきましょう。

ファネルの基本知識

ファネルとは、英語で「漏斗(ろうと・じょうご)」のことです。顧客が商品を認知して、購入するまでの購買行動を図で表すと、ろうとの形になることから、「マーケティング」と合わせて「マーケティングファネル」と名づけられました。実際に顧客が商品を認知し、購入するまでのプロセスを図に表すと、ろうとのような逆三角形になります。

各段階を知ろう

マーケティングファネルは、認知→興味・関心→比較・検討→購入の流れです。

マーケティングファネルは、認知→興味・関心→比較・検討→購入の流れです。

なぜ、逆三角形となるのか考えてみましょう。自分の購買行動に当てはめて流れをつかみます。

あるコーヒーショップを初めて雑誌で知りました。しかし、「行きたいな」と場所などを調べていくうちに、別の美味しそうなコーヒー店に興味が出てきてしまいました。そして最初に興味を持ったコーヒーショップには結局行きませんでした。このように一般的な購買行動は、「購入」といった最後の段階までに減少していきます。

100人に「認知」されても、「関心や興味」まで進むのは60人、「比較・検討」段階ではさらに30人と数が減っていきます。結果、最後まで買う意志が残った人のみ、「購入」するという流れになるのです。マーケティングファネルの考え方は、このように消費者購入の心理プロセスをフェーズ化し当てはめていきます。

マーケティングファネルの活用方法

マーケティングファネルの活用方法

では、マーケティングファネルはどう活用するのでしょうか?ファネル活用で、段階ごとの消費者に対しての施策を見直すべきかが分かります。

例えば、売りたい商品WEBページで「申し込み数が少ない」という課題があったとします。興味を持った最初のWEBページでの離脱はあまり発生していないが、次に閲覧した商品紹介ページで急激な離脱が増えた場合は、「商品紹介ページに問題がある」のが分かります。原因がページの構成なのか、サービス内容が良くないのかを分析し、改善ポイントを見つけていきます。

マーケティングファネルの重要性と活用によるメリット

マーケティングファネルの重要性と活用によるメリット

では、なぜマーケティングファネルを使うと良いのでしょうか?活用の大切さやメリットを紹介していきます。

広告はただ闇雲に広いターゲット層に打ち出しても、広告の最大効果を出すことは難しいでしょう。顧客の商品やサービスの認知度に合わせて、PDCAを意識しながらマーケティング施策を打ち出さなくてはなりません。

つまり、商品やサービスをより多くの消費者に購入してもらうには、どのプロセスに課題があるのかを明確にしなくてはなりません。そして、課題に対して最適な施策を打つ必要があります。

ファネル分析することで、顧客の認知度が整理しやすくなり、課題が発見しやすくなります。そして、購買過程が分かりやすくなるだけでなく、どの段階で顧客が離脱し、サービスや商品にどのように興味を持つのかを把握でき、より戦略的な顧客獲得につながるのです。

マーケティングファネルの3つの種類

マーケティングファネルの3つの種類

ファネルには、大きく3つの種類に分けられます。パーチェスファネル、インフルエンスファネル、ダブルファネルです。それぞれについて詳しく解説します。

パーチェスファネル

マーケティングファネルの中でもっとも基本となる型です。「パーチェス(purchase)」が「購買」という意味があることから「購買ファネル」とも言われ、購買に至るまでの心理プロセスの流れを示したAIDMA(アイドマ)モデルが基になっています。

パーチェスファネル

AIDMA(アイドマ)モデルは「Attention(認知する)→Interest(興味を持つ)→Desire(欲しいと感じる)→Memory(記憶する)→Action(購入する)」の流れです。

これにファネルの考え方を当てはめると、フェーズごとの状況が可視化できます。上記の図のように、「比較・検討」で数が大きく減少しているとなった場合には、比較するコンテンツ不足が考えられます。ファネルの一番下にあたる「購入する」段階までの施策見直しが、重点的に改善できます。

一般的にファネルというと、このパーチェスファネルを指します。

インフルエンスファネル

インフルエンスファネルは、顧客が商品を購入した後の行動を表したものです。順番としては、「継続」→「紹介」→「発信」と三角形のように数が増えていく図となります。AISAS(アイサス)という別のモデルが基になっています。

インフルエンスファネル

AISAS(アイサス)モデルは、「Attention(認知する)→Interest(興味を持つ)→Search(検索する)→Action(行動する)→Share(情報共有する)」の流れです。

インターネット上での、消費者の発信力の高まりとともに生まれたモデルです。AIDMAとの大きな違いは、Search(検索する)、Share(情報共有する)が入ることです。それまでの「購入」をしたら終わりのパーチェスファネルから、検索エンジンやSNSの普及により、購入後の行動も考えることが大切になってきました。

インターネット上の口コミやレビューといった、購入後の行動に重点を置くようになった考え方がインフルエンスファネルです。

上記の図で説明すると、購入まで行った消費者が、ファン化し継続して、実際に商品を使います。購入後に、口コミやSNSで紹介・発信します。購入者が共有する行動から、新たに別の消費者の目に届き、大きな宣伝効果につながります。

ダブルファネル

パーチェスファネルとインフルエンスファネルを合わせたのが、「ダブルファネル」です。パーチェスファネルとインフルエンスファネルの2つを使うことで、認知度や購入率、継続率など顧客行動をトータルで分析します。

ダブルファネル

ダブルファネルは、購入を目指すパーチェスファネルと、消費者行動が企業から個人に移ってきた最近のインフルエンスファネルを組み合わせて、相乗効果を期待しています。

考え方としては、商品やサービスのファンとなった購入者がSNSを使って、友人や知人へ紹介し、新たなファンを作っていくというものです。ダブルファネルは、購入者が口コミやSNSなどで紹介することで、さらに新しいファン層をつくり、消費の循環が生まれるという顧客行動をトータルで分析します。

マーケティングファネルの効果的な活用例とコンテンツ例

マーケティングファネルの効果的な活用例とコンテンツ例

次に、マーケティングファネルを使った、より効果的な活用例はあるのでしょうか?具体的な活用例やコンテンツ例を紹介していきます。

顧客数の分析での活用

各段階の顧客数の変動を把握すれば、問題点や課題が明確化します。どの段階で顧客が離脱しているのかが分かれば、部分的にマーケティング施策を見直しでき、PDCAをするときにも活用できます。

また、段階ごとに消費者心理の移り代わりについても併せて分析できるので、「ペルソナ」作りに活かせます。ペルソナをもとにしたコンテンツの出し方や、ターゲットに合せたメール配信といった、質の高いマーケティング施策の実現にもつなげていけます。

アプローチ法での活用とは?

企業がどの段階で顧客接点を設定するのか、段階別に効果的なアプローチ法を決められます。例えば、興味を持ちクリックしてLPに訪れる割合が低い場合は、広告のクリエイティブを変更し、ターゲットを変更する必要があります。

他にもインフルエンスファネルで「発信」が思ったより少ない場合は、SNSでの紹介キャンペーンを実施し、何かしらのインセンティブを設定することなどが考えられます。

TOFU(興味・関心)段階のコンテンツ例

できる限り多くの見込み客に、商品やサービスを認知してもらうことが大切です。プレスリリース、SNS、広告、オウンドメディア、SEOなどが有効です。

MOFU(比較・検討)段階のコンテンツ例

見込み客になってもらうことが大切です。顧客に寄り添ったトライアルや体験談といったコンテンツを用意します。体験モニター、デモンストレーションやトライアルキャンペーンなどが有効です。

BOFU(購買・受注)段階のコンテンツ例

顧客の購入のための後押しをすることが大切です。購入後もお得な情報を伝え、サポートやロイヤリティを高めます。連絡先や製品サービスの詳細情報を明確化し、問い合わせをしやすくするなど、購入までの具体的な記載が必要です。無料トライアルや割引券、サポートやキャンペーン情報なども重要になってきます。

マーケティングファネルが古いと言われる理由

マーケティングファネルが古いと言われる理由

「マーケティングファネルは時代にあっていないので役に立たない」といった意見も出ています。なぜ、マーケティングファネルは古いと言われるのでしょうか?理由と本当に有効な考え方ではないのか?を解説していきます。

一方通行にならない消費者行動

ファネルはもともと、「一直線の購買モデル」と言われます。インターネットが普及する前は、商品情報が現在よりも少なく、顧客が得た情報に興味を持てば購買に至ることが一般的でした。しかし、インターネットが普及した現在、顧客はWebサイトから自分で情報を収集します。

多くの情報を参考にして、複数のサービスを比較検討することが可能になり、必ずしもファネルの規格化されたモデルに当てはまらなくなってきたのです。

また、Webサイトで情報収集している際に、偶然表示されたジャンルが違う商品に興味が出て、はじめに求めていた商品に興味を失う場合もあります。

例えば、車の情報を探していたら、いつの間にか旅行について調べていたという行動です。検索が終わっても、しばらくした後にまた検索を再開して、結局は車の購入につながるというものです。つまり現在のユーザー行動は行ったり来たりを繰り返す、一方通行ではなくなってきているわけです。

多元化する消費者の価値観

また、消費者の価値観はインターネットの普及やライフスタイルの変化などから多元化しています。同時に、対象となる商材や年代により価値観や嗜好も複雑化しています。

例えば、同じ洋服を買うにしても、値段では購入しない消費者が増えました。多種多様のサイズや色があることで、より自分に合った商品か検討してから購入に至るようになったのです。

購買後の行動が不透明

最近は、一度商品を買った人がインフルエンサーとなって口コミで他の人に購入を促す例が多くなってきています。

また、商品やサービスも、モノの購入ではなく、シェアリングやサブスクリプションといった「体験の提供」へと変わってきています。パーチェスファネルは基本的には「購入」をゴールとしていて、こうした新たな提供形態もカバーしきれないのが問題になっています。

BtoBでは今でも有効なモデル

では、ファネルの考え方は時代に合わないのでしょうか?上記の話は、BtoCでの活用の話です。BtoBでは今でも、マーケティングファネルの考え方は有効です。

例えば、企業が会計ソフトの入れ替えを考えた場合に、会計ソフト販売会社を探していたのが、いつの間にか電気会社を探していた、といったことはないでしょう。次々と興味や関心が移っていく一般消費者のような探索行動は、ビジネスの現場ではほとんど起こらないのです。

BtoBは商品の選定者と決裁者が異なることが多く、社内で承認を得る必要があります。購入までに関与する人の多さや、購入するまでに協議を重ねること、さらに決定要因がさまざまなことから、BtoCより複雑と言われます。

しかし購入までのプロセスを考えるとシンプルといえます。また、基本的にBtoBは購買まで興味が一貫して変化しません。個人の価値観が入る余地が少ないことも、ファネルは有効です。

まとめ

マーケティングファネルのもっとも基本的な考え方は、「認知→興味・関心→比較・検討→購入」というプロセスを辿ります。3つのファネル型を活用することで、「問題があるのはどの段階か」「段階ごとに打つべき施策は何か」といったことが分かります。

一方で、ファネルは時代にそぐわないという意見もありますが、今なおBtoBでは有効なモデルです。現代の複雑化したマーケティング施策では、施策は合っているのか判断に迷いがちです。ぜひ、情報と考えを整理できるファネルを活用してみましょう。きっとビジネスモデルや販売戦略を考える上での指標になるはずです。

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